「夜間対応型」補助金、利用率が低調/会計検査院が意見書  PDF

「夜間対応型」補助金、利用率が低調/会計検査院が意見書

 夜間対応型訪問介護サービスで補助金の交付を受けた全国73市区の101事業所のうち、利用割合が30%未満の事業所は40カ所に上った。会計検査院が細川律夫厚生労働相に送付した意見書で分かった。意見書では、夜間対応型訪問介護の需要調査の徹底や類似するサービスとの連携・調整について市町村に助言するよう求めている。

 検査は、2006−08年度までの3年間に交付金を受けた8地方厚生局管内の73市区101事業所を対象に、実績報告書などによる会計実地検査や調書の提出を求めるなどして行われた。交付総額は約27億1808万円だった。

 意見書によると、夜間対応型サービスを休止した事業所(26カ所)や、センターの集約で現在は業務を行っていない事業所(20カ所)、事業の継続が困難となったことからサービスを休止した事業所(6カ所)を合わせた「交付金の効果が認められない」(検査院)施設の総数は73事業所に及んだ。これら施設への交付金の総額は16億1251万円となる。

 厚労省は「補助金が、施設ではなく、各自治体にまとめて交付される性質上、個別の事業所のチェックは自治体に任せていた」とした上で、「申請の根拠が分かるような仕組みを検討する」(老健局高齢者支援課)としている。検査院は「夜間対応型訪問介護の利用が低調な地域では、各自治体が提供する緊急通報体制等整備事業の利用割合が高い傾向にあった」とした。

 緊急通報体制等整備事業は、地域によって提供体制が異なるが、単身世帯の高齢者宅に設置する緊急通報装置を通して緊急時に安否確認などを行う。利用者負担は、無料から数千円まで、自治体によってばらつきがある。(10/26MEDIFAXより)

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