「地域医療復興の方向性」を了承/宮城県地域医療復興検討会議
宮城県が東日本大震災後の医療復興に向けて設置した「宮城県地域医療復興検討会議」は9月15日、全体会議とワーキンググループの合同会議を開き、同県保健福祉部医療整備課が提示した「地域医療復興の方向性」の取りまとめ案を了承した。取りまとめでは、石巻医療圏での中・長期的課題の中で石巻赤十字病院の機能強化を明記し、同医療圏の中核的医療機関に位置付ける方針を示した。
石巻赤十字病院については「石巻市立病院と石巻赤十字病院の医療資源および機能を最大限生かすことを前提とした検討が必要」とした上で、高次救急や急性期医療、専門医療などの機能拡充を図り、同医療圏内の病院・診療所と連携して機能強化を進める方針を示した。
その一方、震災で壊滅的な被害を受けた石巻市立病院については、石巻赤十字病院との機能連携を前提に「今後の方向性について検討が必要」と指摘し、同会議で議論された「共同化」などについて具体的な対応策を示すまでに至らなかった。同県保健福祉部の岡部敦部長は会議後の会見で「石巻市立病院は医師や看護師らの流出防止を図りながら今後の復旧を考える必要があるとの意見もあった。石巻市長は市議会の議論も踏まえ、最終的な決断を示されるのではないかと思っている」と述べた。
このほか取りまとめでは、石巻市立雄勝病院について無床診療所化の検討と在宅医療の充実・強化も明記した。石巻市立牡鹿病院については震災前の医療機能を確保しつつ、当面は現状の医療提供体制を維持するとした。女川町立病院は10月1日から19床の有床診療所に移行し、2011年度末までに100床の介護老人保健施設として整備することになっている。(9/16MEDIFAXより)