「地域がん拠点病院」指定を弾力化/がん対策協が取りまとめ  PDF

「地域がん拠点病院」指定を弾力化/がん対策協が取りまとめ

 厚生労働省のがん対策推進協議会(会長=垣添忠生・日本対がん協会長)は3月28日、がん診療連携拠点病院と地域医療機関の連携強化や、「地域がん診療連携拠点病院」を地理的特性や人口・患者特性などを勘案して弾力的に配置することなど、がん診療連携拠点病院の役割について取りまとめた。

 がん診療連携拠点病院は現在、全国に377施設(2011年4月に新規に11施設指定予定)ある。このうち「都道府県がん診療連携拠点病院」については、病病連携・病診連携など医療機関同士の連携のほか、訪問看護ステーションや調剤薬局・福祉施設などとの連携を強化する必要があるため、都道府県がん診療連携協議会に都道府県医師会やがん患者・家族が参画することで地域全体の取り組みを高めることとした。

 一方、2次医療圏に原則1施設を指定する地域がん診療連携拠点病院については、都道府県や2次医療圏ごとに事情が異なるため、地理的特性や人口、患者の受療行動、連携状況などを踏まえて都道府県が配置を検討し、国の指定を弾力化することを盛り込んだ。

 チームによる緩和ケアや標準的がん治療の均てん化の流れを推進するとともに、重粒子線治療や小児がん医療など高度で専門的な医療については集約化が必要との視点も示した。会合で厚生労働省健康局がん対策推進室は、がんの相談支援・情報提供の今後の在り方について事務局案を示した。ただ、「具体的な推進の道筋が示されていない」「患者・家族の問題解決をターゲットとしたものとすべき」など委員から多くの意見が出た。垣添会長も相談支援センターの役割について「従来の範囲を広げて、患者・家族への支援についても含めるべき」とし、事務局に案の全面書き換えを指示した。取りまとめは次回の協議に持ち越した。(3/29MEDIFAXより)

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