「国際医療交流」で総合特区/大阪府と泉佐野市、推進協設立
大阪府と大阪府泉佐野市は、政府指定を目指している地域活性化総合特区「国際医療交流の拠点づくり−りんくうタウン・泉佐野市」の推進母体となる「りんくうタウン国際医療交流推進協議会」を設置し、1月26日に初会合を開いた。
政府が今通常国会に提出を予定している総合特区法案に基づいて、地域活性化総合特区として、外国人医師らの臨床修練制度や医療通訳資格の規制緩和を目指すもので、関西国際空港近くの泉佐野市にあるりんくうタウンの活性化が目的。制度は総合特区申請に際して官民一体の推進協議組織形成を求めており、これに沿って協議会を設置した。法案が成立すれば、5月ごろから募集を開始し7月にも特区指定が行われる見通し。
りんくうタウンが特区として国に支援を求めていく内容として?規制の特例措置=外国人医師等臨床修練制度(診療所での修練を認めるなどの運用緩和)、医療滞在ビザ創設、高度がん治療の特定病床設置手続きの緩和、通訳案内士の規制緩和など?税制上の支援措置=国際医療交流に取り組む医療機関への税制特例など?財政上の支援措置=医療機関の検査機器などの導入助成、医療機関ネットワークの構築支援など―が挙がっている。
1月26日の初会合では、がんの先端医療機関が複数共同で開業する「りんくうがんセンター」の設置計画や、それらと連携する大学病院や医療関連機関とのネットワークづくり、メディカルホテルやターミナルケア施設の建設計画などを明らかにした。りんくうがんセンターは11年10月に開院する予定。
同協議会の会長には、りんくうタウンに02年に開業した動脈塞栓術を専門とするがん治療施設「ゲートタワーIGTクリニック」の堀信一院長が互選された。副会長は大阪府、泉佐野市の行政担当者が就任、堀氏を補佐する。協議会は市立泉佐野病院の種子田護総長などの医療関係者、観光事業関係者、行政担当者で構成している。今後は医療と観光の2つのワーキンググループで実質的な検討を進め、次回協議会は3月末に開く見通し。(1/28MEDIFAXより)