「受診頻度変わらない」が6割/高齢者「1割→2割」で世論調査
内閣府は12月6日、後期高齢者医療制度廃止後の新たな高齢者医療制度の在り方に対する国民の意識を調べた「高齢者医療制度に関する世論調査」を公表した。患者窓口負担が1割から2割に増えた場合と、3割から2割に減った場合の各受診頻度に関する調査で「現在の受診頻度と変わらないと思う」と回答した割合は「1割→2割」が61.5%、「3割→2割」が75.7%だった。また、国保の保険料について、すべての年齢で都道府県ごとに保険料を統一することに「適切」と回答した割合は65.2%だった。
調査は全国の20歳以上の3000人を対象に個別面接聴取法で行われ、対象者が質問に関連する資料を読んだ後、調査員が質問した。有効回収数は全体の64.7%となる1941人。
患者窓口負担に関する調査では、現行で1割を負担する対象者(429人)に2割負担後の受診行動を聞いた。「現在の頻度と変わらない」が61.5%で、「少し控える」が25.2%、「かなり控える」は12.4%だった。
一方、3割負担の対象者(1442人)には、2割負担になった場合について「かなり気軽に受診するようになる」「少し気軽に受診する」「現在の頻度と変わらない」の質問で調査。「変わらない」が75.7%、「少し気軽に受診」は18.2%、「かなり気軽に受診」は5.5%だった。
厚生労働省保険局高齢者医療課の吉岡てつを課長は、高齢者医療制度改革会議で示した70−74歳の窓口負担を現在の1割から2割にする案に触れ、「気軽に受診」の回答が合わせて23.7%だった結果などを挙げて「(2割負担になっても)冷静に行動してもらえると思う」と分析。一方で「今回の結果をもって、国民に理解してもらえるとの判断はできない」とした。
●保険料統一、「適切」が65%
国保の保険料に関して、すべての年齢で都道府県ごとに保険料を統一させることに対する調査も行い、「適切」が65.2%、「適切ではない」が23.7%だった。「適切」と回答した人に統一の進め方を聞いた調査では「まず65歳以上で統一し、最終的にすべての年齢で統一」が37.0%、「まず75歳以上で統一し、最終的にすべての年齢で統一」が31.4%、「速やかにすべての年齢で統一すべき」が28.0%だった。
また、75歳以上の医療費を支える方法も調査。「税金による負担割合を増やす」が43.4%、「現在の仕組みと同程度の負担割合で、税金、現役世代の保険料、高齢者の保険料の各負担額を増やす」が32.9%、「高齢者保険料による負担割合を増やす」が12.0%、「現役世代の保険料による負担割合を増やす」が9.6%だった。(11/9MEDIFAXより)