「反省」と「改革」前面に/10年版厚生労働白書  PDF

「反省」と「改革」前面に/10年版厚生労働白書

 厚生労働省は5月26日の政策会議に、2010年版厚生労働白書の暫定版を示した。「制度の企画立案に力点を置いてきた一方で、制度の創設・改正に先立つ実態の把握、制度の適切な運用および必要に応じた改善の実施がおろそかになってきた」との反省に立ち、「厚生労働省改革元年」を前面に押し出した。さらに、検討中の「少子高齢社会の日本モデル」の基本的な考え方も盛り込む。

 白書の暫定版は、年金記録問題など旧社会保険庁をめぐる問題や薬害肝炎問題を取り上げ、国民の信頼を失墜させたことを陳謝し、改革に向けた取り組みを提示。人事評価制度の改正や経費削減・無駄の排除など、内部改革に取り組んでいる姿勢を強調している。

 社会保障施策全般については、雇用誘発効果が高いことや、消費を促して経済を活性化させると指摘し「経済社会を支える重要なもの」と位置付けた。

 政権交代により見直しが進められている後期高齢者医療制度については、「準備や周知が十分に行われず、大きな不安や混乱を招くこととなった」とし、10年度診療報酬改定で75歳以上に限定した項目を廃止したことなど、問題点の解消を図っていることを紹介。新制度については、高齢者をはじめとする国民に対する意識調査や、地方での公聴会を行うなどして、国民の意見を丁寧に聞きながら検討を急ぐとした。(5/27MEDIFAXより)

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