「医療区分1」患者支援を重点施策に/
京都府、高齢者ケア体制整備素案
京都府は8月19日、国の療養病床の縮小再編に向けた「高齢者ケア体制整備推進プラン」の素案を明らかにした。医療の必要性が低いとされ、退院を迫られると心配されている「医療区分1」の患者への支援を重点施策として盛り込んだ。
「医療区分」は、厚生労働省が定めた患者に必要な医療の度合い。胃に栄養チューブを設ける「胃ろう」を使う人や、糖尿病で注射が必要な認知症の患者なども医療区分1とされているが、現場の医療行為の頻度が多く、在宅療養への移行も容易ではないとの批判がある。
府によると、府内の療養病床約6500床のうち、医療区分1の患者は6割強を占めるという。
素案は、医療区分1の患者を「診療報酬が下げられ、退院を余儀なくされる。府内は割合が高く、影響が大きい」と分析した。施策の基本方向は、国が再編期限とする2011年度末まで「臨時的・緊急的に療養病床の確保を図る」とした。
療養病床退院後の受け皿となる在宅療養の充実に向け、▽医療と介護、福祉が連携した総合相談窓口の整備▽訪問介護の24時間、夜間、休日も対応―などを挙げた。
素案は同日、京都市上京区で開かれた同プラン策定検討会で示された。有識者らの委員は「医療区分1の患者を、いつまで支援するか線引きが難しい」「在宅ケアに向けた意識向上が必要」などの意見を述べた。府は08年中にもプランを定め、09年度予算に反映させる方針。