「個別指導および監査の改善を求める決議」における改善要望項目と近畿厚生局の回答〈2015年6月18日〉  PDF

「個別指導および監査の改善を求める決議」における改善要望項目と近畿厚生局の回答〈2015年6月18日〉

1 実施通知の送付時期

 実施通知は、対象機関および対象者の日常診療に支障を与えないよう、指導予定日の1カ月以上前に対象機関および対象者に送付するようにして下さい。なお、日程の設定についても一方的に決めずに、休診日、診療時間外等、患者の受療権上の支障がない日時を、双方の調整により決めるようにして下さい。
 【回答】 個別指導等の実施については、指導大綱およびその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しているところです。

2 選定理由の開示

 個別指導の実施にあたって、対象機関および対象者に対して、選定理由と指導目的を、予め具体的に示して下さい。あるいは、対象機関および対象者の求めに応じ、選定された理由を開示するよう改善して下さい。
 【回答】 個別指導の実施については、指導大綱およびその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しており、選定理由はお示ししていません。なお、指導の目的については、個別指導の実施通知に記載しています。

3 対象カルテの事前指定

 個別指導の指導対象カルテの指定は、対象機関および対象者が安心・安全に日常診療が行えるよう、実施日の1週間から10日前に通知して下さい。
 【回答】 個別指導等の実施については、指導大綱およびその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しているところです。

4 弁護士の帯同および録音

 個別指導および監査時に弁護士帯同および録音ができることを対象機関および対象者に対して予め示して下さい。また、各府県で実際に個別指導が行われる場において、弁護士帯同および録音ができないかのような発言を行わないように、各局の技官、末端の事務官に至るまで周知徹底して下さい。
 【回答】 個別指導等の実施については、指導大綱およびその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しているところです。なお、保険医療機関が弁護士の帯同を希望した場合は、弁護士には発言・質問等が認められないこと等の一定の条件の下、帯同を認めています。また、録音については、患者の個人情報保護に万全を期する必要があることから、原則として認めていませんが、録音が必要な理由が、保険医自身による指導内容の確認が目的である場合は認めています。

5 個別指導の実施は行政手続法に基づき行うこと

 個別指導は行政手続法に基づき行うことを徹底して下さい。指導を行うに当たっては、「保険診療の取扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを主眼とし、懇切丁寧に行う」という目的と趣旨を遵守して下さい。
 【回答】 個別指導の実施については、指導大綱およびその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施しています。個別指導の実施に当たっては、療養担当規則等に定められている保険診療の取扱い、診療報酬の請求等について周知徹底することを目的とし、懇切丁寧に指導を行っているところです。

6 自主返還

 個別指導後の「自主返還」の強要は違法です。絶対に行わないで下さい。
 【回答】 個別指導の結果、不正または不当に診療報酬を請求したものと認められた場合は、行政指導として、返還を求めているところです。

7 カルテ等のコピー

 個別指導は健保法第73条を根拠として実施されるものであり、質問検査権は付与されていません。個別指導中に不正・不当が疑われる場合が見受けられても、カルテ等のコピーの強要は違法です。絶対に行わないで下さい。
 【回答】 個別指導におけるカルテのコピーは、保険医療機関の了解を得たうえで行っているところです。

8 新規個別指導後の措置

 新規指定より概ね6カ月経過した保険医療機関に対する個別指導(新規個別指導)は、「教育的効果を目的として」実施されるものであるため、結果通知書で自主返還を求めないで下さい。
 【回答】 新規指定の保険医療機関等に対する指導は、療養担当規則等に定められている保険診療の取扱い、診療報酬の請求等について周知徹底することを目的として実施していますが、適正を欠くものは、行政指導として、返還を求めているところです。

9 中断手続

 個別指導については、「中断」を行わず、1回の期日で完結して下さい。止むを得ず中断する場合であっても、対象機関および対象者に対して十分な理由を説明すること。また、対象機関および対象者に対する精神的な負担等が生ずることに配慮し、中断期間は短期間に止め、長期化することは厳に慎むよう配慮して下さい。
 【回答】 諸事情により、予定した時間内に終了できなかった場合にやむを得ず中断する場合があります。その場合は、保険医療機関に中断となった理由を、十分説明しているところです。再開時期については、事案ごとに異なりますが、速やかに再開するよう努めているところです。

10 患者調査

 監査にあたって患者調査を行う場合は、対象機関および対象者への信用の毀損等が最小限となるよう慎重にも慎重を重ねて下さい。また、事実を的確に把握できる調査手法をとり、調査結果は保険医等に開示するようにして下さい。
 【回答】 患者調査の実施にあたっては、患者に対して、特定の保険医療機関等が不正を行っているのではないかとの疑念を抱かせるようなことのないよう、慎重な対応をしているところです。

11 調書への署名

 監査においては、対象機関および対象者が納得していない患者個別調書への署名、捺印の強要は絶対に行わないで下さい。対象者および対象機関のスタッフの調書作成に際して、事実に基づき加筆・訂正を求めた場合は、必ず応じて下さい。
 【回答】 監査において、事実認定された内容について、被監査者に対して説明し、被監査者の弁明の記載、記名および押印を求めています。なお、被監査者が加筆・訂正を求めた場合においては、対応をしているところです。

12 指導と監査の機関の分離および苦情申立手続の確立

 個別指導・監査における公正な判断とこれに対する信頼を確保し、かつ、個別指導・監査を受ける保険医等の権利を保障するために、個別指導・監査に対する苦情申立手続を導入して下さい。
 【回答】 個別指導・監査については、指導大綱およびその他通知に基づき、各厚生局が統一的に実施されており、保険医療機関に対して適切な対応をしているところです。ご要望については、本省へ申し伝えてまいります。

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