「介護難民を出さない」/府独自に病院助成制度  PDF

「介護難民を出さない」/府独自に病院助成制度

 国が進める療養病床削減策で行き場を失う「介護難民」の高齢者を生まないよう、京都府は1月29日、医療型療養病床を減らさない病院を助成する制度を2009年度に設けると発表した。国の再編策に反発した異例の制度創設で、全国で初めて。約5000万円を09年度予算案に計上する。

 国は医療費の適正化や在宅医療の推進を目的に11年度末で介護型療養病床を全廃、医療型療養病床も削減し、老人保健施設や在宅ケアへの転換を促す再編策を進めている。

 山田啓二知事は1月29日の会見で、府内の介護型が約3800床あり、全国で唯一、医療型(2600床)を上回る現状を踏まえ、「京都は介護型が多く、影響を最も受ける。今回は介護難民を出さないという強い意志を示した」と述べ、国の姿勢を批判した。

 新設する制度は、介護型を医療型に転換する病院に対し設備整備費を助成する。

 また、国が医療の必要性が低いのに長期入院をしているとして「医療区分1」の患者の診療報酬を06年度から引き下げたため、府は11年度まで医療型を維持する病院に報酬減少分の一部を補てんすることにした。

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