「介護人材育成戦略」を提言/社会保障改革推進懇談会
社会保障改革推進懇談会(座長=吉川洋・東京大大学院教授)は6月18日、報告書をまとめ、松本純・内閣官房副長官に提出した。社会保障国民会議が提言した社会保障制度改革は「着実に進んでいる」とした上で、さらに改革を進めるため不足が慢性化している介護人材の育成に向けた提言などを盛り込んでいる。
報告書では、介護労働を新卒者だけで充足することは極めて困難とし、他業種からの転職者が介護分野に定着するための方策が必要と指摘。人材定着には、金銭的処遇の改善だけでなく、サービス供給主体の在り方も含めた対策が必要とした。
具体的な対策として(1)介護報酬引き上げと介護従事者の賃金への反映(2)介護事業所の経営改善(3)介護労働者の処遇向上と介護サービスの質の向上(4)職業訓練の強化―を柱とする「介護人材育成戦略」を提言。2009年度の介護報酬改定が賃金水準に与えた効果についての「定量的なデータの分析」や、介護事業者の会計などの透明化のほか、サービスの「質」の意義を明確化させる必要性を指摘している。(6/19MEDIFAXより)