「人員基準の弾力的運用を」/介護事業者が要望  PDF

「人員基準の弾力的運用を」/介護事業者が要望

 2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向け、人員基準の弾力化を求める声が介護事業者から上がっている。医療提供体制の強化や人材確保の観点から、医療職種を柔軟に活用できる仕組みが必要との意見が目立つ。

 各事業ごとに人員基準が決まっている現行の介護保険制度では、1人の看護職員が複数のサービスを兼務することが事実上、困難な場合がある。例えば、原則として常勤・専従の看護職員配置を必要とする介護老人保健施設や特別養護老人ホームの看護職員が在宅サービスと掛け持ちで働く場合、その穴を埋める職員が必要となるからだ。

 一方、改正介護保険法で創設した24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問サービスの具現化に向け、看護人材確保の必要性を指摘する声も根強い。このような状況を背景に、厚生労働省が8月8日に開いた「介護保険サービスに関する関係団体懇談会」では、柔軟な人員基準の設定を求める声が上がった。

 24時間在宅ケア研究会代表理事の時田純氏は、同懇談会で「(法人内の看護職員が)全部、事業ごとに縛られている。(基準を)弾力化して兼務できるようになれば在宅に向けることができる」と説明。少子高齢化に伴い人材確保が困難になっている現状も指摘し「特養も在宅もできる職員を育てることで、力のある人材育成が可能になる」と人材の「多機能化」の必要性を強調した。

 特養での医療提供体制の柔軟化を求める声もあった。全国個室ユニット型施設推進協議会副会長の諸隈正剛氏は「例えば誤嚥性肺炎程度の病気であれば、訪問看護師や在宅支援診療所と連携すれば病院に入院させる必要もないのでは」と述べ、外部機関の医療職種との連携強化の必要性を訴えた。(8/10MEDIFAXより)

ページの先頭へ