「二階発言」で紛糾、経産省局長が大臣発言を撤回/
参院厚労委
妊婦が都立墨東病院などで受け入れを断られて死亡した問題について、二階俊博経済産業相が「医師のモラルの問題」などと発言したことをめぐり、11月13日の参院厚生労働委員会は質疑がストップするなど紛糾した。結局、経済産業省の近藤賢二商務情報政策局長が、大臣の発言を撤回した。足立信也氏(民主) が追求した。
二階経産相は10日、舛添要一厚生労働相と妊産婦死亡事故の再発防止に向けて会談した中で「政治の立場で申し上げるなら、何より医師のモラルの問題だ。忙しいだの人が足りないだのというのは、言い訳に過ぎない」と発言したとされる。足立氏によると、この発言をめぐり、日本医師会など医療関係者から多数の抗議文が寄せられているとし、二階経産相の真意をただした。
二階経産相は経済産業委員会出席のため欠席。代理出席した近藤商務情報政策局長は「発言の真意は、今回のような悲しい出来事を2度と繰り返してはならず、そのために厚労省、経産省を挙げてITを活用して情報システムを構築し、導入を促進させたいということだった。その際、医師も忙しくて大変なのは理解できるが、専門的な立場から全面的に協力してもらいたいという趣旨だった」と弁明。「今回の発言が医療関係の皆さんに不快な思いをさせたのであれば、おわび申し上げる」とも述べ、事態の収束を図った。
ただ、足立氏は矛を収めず、「政治の立場」や「医師のモラルの問題」との発言の真意について再度、説明を求め、一時審議が中断した。
審議再開後の冒頭、二階経産相と打ち合わせた近藤局長が「医療に携わる皆様に誤解を与えたことをおわび申し上げ、発言を撤回したい」と大臣発言を取り下げた。(11/14MEDIFAXより)