「世界の頭脳を福島に」/復興ビジョン検討委
福島県の復興ビジョン策定に向けて同県が設置した福島県復興ビジョン検討委員会(座長=鈴木浩・福島大名誉教授)は7月8日、「福島県復興ビジョンへの提言」を佐藤雄平知事に提出した。
提言は、復興に向けた主要施策を▽緊急的対応▽ふくしまの未来を見据えた対応▽原子力災害対応―の3本柱で示した。「原子力災害対応」では「原子力災害の影響についての研究、放射性物質による汚染を克服する研究および除染の実施」を求めたほか、「さらに、一歩進んで、健康づくりを通して全国にも誇れるような健康長寿の県づくりを進めることが求められる」と強調。「原子力に係る国際的機関の誘致を含め、世界の知見・頭脳を福島県に招致し、世界最先端の力を借りて、事故後の原子力発電所の安全の確保とその監視に取り組む必要がある」と指摘した。
提言は復興に当たっての基本理念に「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」と明記し、脱原発の姿勢を明確に示した。同県は今後、早急に復興ビジョンの素案を提示し、パブリックコメントを募集する予定。その後、復興ビジョンを決定する。(7/13MEDIFAXより)