「マニフェストは国民からの命令書」/長妻厚労相が初登庁
鳩山新内閣で厚生労働相に就任した長妻昭氏が9月17日、初登庁した。職員を前にした訓示で、民主党マニフェストに基づく政策推進に意欲を示すとともに、現状把握の重要性を強調。厚労省の信頼回復に向けて一丸で取り組む姿勢を求めた。2010年度に控える診療報酬改定や、第2波の襲来が懸念される新型インフルエンザ対策など、医療をめぐる喫緊の課題が山積する中での船出となる。
「政権が交代した今、民主党のマニフェストは国民と政府の契約書、あるいは国民からの命令書。熟読し、どうすれば実行できるか知恵を絞ってほしい」
職員を前にした訓示で長妻厚労相は、スーツのポケットから取り出した党のマニフェストを掲げ、これに基づいた政策を推し進める姿勢を強調した。
マニフェストでは「医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬(入院)を増額する」とし、これを含めた医療再建の費用として9000億円を確保する考えを打ち出している。10年度診療報酬改定で全額が次期改定の国費財源となった場合、10%以上のプラス改定となる試算も成り立つ。
ただ、医療保険者や経済・労使団体からは厳しい経済情勢を背景に「次期診療報酬改定で保険料を引き上げて大幅増額する状況にはない」との意見が強い。経済団体などと折り合いをつけ、予算編成でどれだけプラス改定の財源を捻出できるかが焦点となる。(9/18MEDIFAXより)