「プラザキサ」にブルーレター、死亡5例/厚労省
血液凝固阻止剤「プラザキサカプセル」(一般名=ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩製剤)の服用後に関連性の否定できない重篤な出血性副作用による死亡例が5例報告され、注意喚起を徹底するため厚生労働省は8月12日、製造販売元の日本ベーリンガーインゲルハイム(BI)に対して、「使用上の注意」の改訂と、医療関係者への「ブルーレター」の配布を指示した。
プラザキサは1960年代のワルファリンの登場以来、約半世紀ぶりに承認された経口抗凝固薬で3月14日に発売された。
厚労省医薬食品局などによると、6月13日までに1例(腎不全患者)の死亡が報告された。厚労省が日本BIに情報収集の徹底を指示したところ、8月11日までに、さらに4例の死亡例が報告された。5例の内訳は80歳代女性3人、100歳代女性1人、70歳代男性1人。
同剤は出血があった場合に血が止まりにくくなる副作用が知られているという。このため厚労省は添付文書に「警告」の項を新たに設け、「使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること」などを追記するよう指示した。
さらに、「重要な基本的注意」の項に、「本剤を投与する前に、必ず腎機能を確認すること。また、本剤投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能の悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を考慮すること」などを追記するよう求めた。
同剤は主に腎臓を介して排せつされるため添付文書には「透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者」などには禁忌との記述がある。
ブルーレターの発出は2010年10月のノボ ノルディスクファーマの「ビクトーザ」以来。(8/16MEDIFAXより)