「クラウド」活用で健康管理/市場規模15兆円、経産省試算
「クラウド」活用で健康管理/市場規模15兆円、経産省試算
経済産業省は、インターネット経由で情報やソフトウエアを共同利用する「クラウドコンピューティング」を活用することにより、医療・介護分野で2020年までに15兆円規模のサービス市場を創出できるとの試算を盛り込んだ報告書をまとめた。「個人のヘルスケア情報を大量に収集・蓄積し、分析・活用することができれば、予防医療の促進による生活習慣病の改善や医師の負担を低減することが期待できる」とし、健康管理に基づいた疾病予防での活用を促す方向性を示している。
09年7月に同省に設置された「クラウドコンピューティングと日本の競争力に関する研究会」がまとめた。クラウドコンピューティングは、大量の情報や多様なソフトウエアが集約されたデータセンターにインターネット経由でアクセスして利用する新しいIT(情報技術)サービス。利用者は、高額なIT機器やシステムを持たずにコンピューター資源を活用することができる。
●プライバシーへの配慮必要
ただ、報告書では「ヘルスケア情報はプライバシー性の高い情報であり、安全・安心に利活用できるようにする配慮も必要」と指摘。利用を促すため、情報の標準化と取り扱いルールの策定を行うなど、政府の対応も明記した。(8/18MEDIFAXより)