「おたずね文書」はあくまで行政指導 不利益な取扱いの是正を  PDF

「おたずね文書」はあくまで行政指導 不利益な取扱いの是正を

保団連近畿ブロック大阪国税局交渉で

 保団連近畿ブロックは、2月18日に、大阪国税局と懇談を行った。当日は安藤元博大阪協会副理事長・保団連理事、早田寿夫大阪歯科協会理事、辻一城兵庫協会理事、事務局併せて14人が参加した。
 大阪国税局からは、近石泰範総務課長補佐、他1人が対応した。
 懇談は、安藤保団連副会長の挨拶で始まり、14年12月25日付けで提出した「税務行政の改善を求める要望書」で改善を求めた13項目に基づいて進められた。特に、国税通則法が改正されて以降、減少した税務調査件数を補完するために実施されている「おたずね文書」による来署依頼に基づく調査の法的位置づけや「反面調査」の法的位置づけなどについて見解を質すとともに改善を求めた。また、大阪国税局管内において発生した、税務職員の調査情報漏えいによる国家公務員法違反での逮捕等の不祥事について適法に職務を執行するよう求めた。
 昨年に続き事前通知は書面によることを求めたが、従来通り「電話」で行うと回答した。ただし、電話でやり取りできる状況にない場合は、納税者から折り返すことや、署員に折り返しを求めていただけばよいとした。
 保団連が国税庁と懇談した際に「反面調査」も質問検査権の行使だと回答したことを受け、反面調査先にも事前通知すべきと求めたが、事前通知の規定が適用されるのは実地の調査についてであり、来署依頼や反面調査は法令上定められていない。そのため個々の事案によっては事前連絡を行っていない場合もあるとした。
 「おたずね文書」等での来署依頼による指導について質したところ、「行政指導」であると回答したため、行政指導であるなら行政手続法に則り、指導に従わなかったことを理由として、税務調査を行うなどの不利益な取り扱いをするなどの記載は問題があると改善を求めた。これについては、改善することになっているとした。
 その他、管内で実施された税務調査において、保険診療を行っているにもかかわらず、薬剤が高額という理由で自費診療だと断じたケースや、介護事業を行っている医療機関の携帯電話の台数に対して疑義を呈するなど、医療・介護の現場を知らない調査はまじめな納税者に対して不愉快であるため、改善を求めた。これに対し、質問したい場合や、署員に問題がある場合は所轄の税務署の統括官あるいは総務課に連絡していただきたいとした。
 最後に兵庫協会辻理事より、会員はまじめな人が多いので、悪意を持って税逃れをするような人はほとんどいない。誤りがあれば素直に修正する人がほとんどなのでその点を理解いただいた上で税務調査を実施してほしいと締めくくった。

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