薬剤の誤投与に係る死亡事例の分析~医療事故の再発防止に向けた提言~第15号

日本医療安全調査機構は1月17日、「医療事故の再発防止に向けた提言(第15号)」として「薬剤の誤投与に係る死亡事例の分析」を公表しました。

提言1:薬剤の処方から投与までの工程において、確認のタイミングを明確にし、患者への薬剤
    の適応を判断する「妥当性チェック」と薬剤名や患者名などを突き合わせる「照合型チ
    ェック」を行う。
提言2:院内のマニュアルは繁忙時を前提とした手順を定め、妥当性チェックと照合型チェック
    の確認内容がわかるよう具体的な内容を記載する。
提言3:医療機関は薬剤情報を容易に調べられる環境を整え、医療従事者は不慣れな薬剤を使用
    する際、薬剤情報を活用し薬剤を理解したうえで使用する。
提言4:患者が薬を服用する際に薬剤の名称・外観・錠数が照合できるよう、薬剤情報提供書を
    渡すなど、患者自身が確認する仕組みを整える。
提言5:配置薬は薬剤師による調剤工程がない薬を使用するというリスクを踏まえて、薬剤部門
    や医療安全管理部門も参加し、配置薬を決定する。
提言6:持参薬は薬剤部門が鑑別し、必要時、代替の処方提案を行う体制と、タイムリーに鑑別
    ・鑑査できない場合に、後日あらためて薬剤師が処方内容と薬歴を確認できる仕組みを
    整える。
提言7:ハイリスク薬や降圧薬の過量投与は薬物中毒と捉え、投与直後に変化がなくても直ちに
    患者の監視を開始し、薬物中毒の相談窓口や専門医に相談する。
提言8:インスリンを指示する場合は単位で行う。インスリン専用注射器で量り取れない場合は
    指示間違いを疑い、指示した医師に確認する。
提言9:インスリンバイアル製剤からインスリンを量り取る際は、必ずインスリン専用注射器を
    使用し、他の注射器は使用しない。
など、9項目について提言しております。

詳細は、下記URLをご参照ください。
・「薬剤の誤投与に係る死亡事例の分析」提言書全文→https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen15.pdf
・動画「インスリンバイアル製剤による事故を防ぐために」→https://fa.kyorin.co.jp/medsafe/movie/teigen15.mp4
(一般社団法人日本医療安全調査機構より)

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