中医協ピックアップ!

●入院医療(その2)
厚労省は、(1)一般病棟入院基本料は看護配置等に応じて設定されているが「患者の状態や診療の効率性等の要素」も考慮する必要あり。(2)医療機関間の機能分化・連携を進めやすくする評価の検討を―との論点を提示しました。

支払い側は、「本当に7対1が現状程度までに必要かどうか議論すべき」「形骸化している在宅復帰率は廃止すべき」「7対1と10対1の医療密度関連の指標を検討すべき」などと主張しました。

診療側は、「7対1を維持するかどうかは病院の自主的判断によるもの」と釘を刺した上で、「重症度要件等を更に見直すのは拙速すぎる」と見直し議論自体を牽制しました。地域医療構想については「医療機関の自主的協議で進めるもので、診療報酬はリンクさせるべきではない」と主張。かりにも「地域医療構想に寄り添う」(注:迫井医療課長の発言)というならば「どの病床機能でも医療機関の経営が安定する報酬にすべき」としました。

7対1と10対1の患者の重なりに対しては、病院団体の委員は「看護師が確保できない中、地方では10対1病院が急性期医療を担っている厳しい現状がある」と指摘しました。

病棟機能の在り方について、「大学病院であっても、1医療機関で一律の患者を受け入れることは想定していない。(病床機能の分化は)物品整理ではない。様々な患者を受け入れることが医療の包容力ではないのか」と強調。支払側委員に対し「改めて全員で入院医療現場を視察して、無駄や非効率があるのかをよく見てほしい」と強く主張しました。

更に、「診療の効率性等」の意味について質問。迫井医療課長は「様々な疾患、入退院時などの状況に応じて望ましい医療を行ってもらうこと。ミスマッチがないようにということ」と応じたことに対して、中川委員は「『効率性』という表現は変えるべき」と求めました。

当日資料はこちら→ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000154669.html

<3/22医療と介護の連携に関する意見交換より>
●中医協と介護給付費分科会が意見交換〈1回目〉

2018年の同時改定に向けて(1)看取り、(2)訪問看護、(3)リハビリテーション、(4)関係者・関係機関の調整・連携をテーマに議論することになっており、1回目は(1)看取り、(2)訪問看護について検討しました。

(1)看取りについて
・悪性腫瘍以外の患者への看取りについては、日常の支援を介護サービスで支えていることから、医療と介護との連携がより一層必要。
・特別養護老人ホームにおいては、施設の方針として看取りを行わない等の理由で看取りを行っていない施設が約10%ある。
・在宅等で療養している患者が最終的に医療機関での看取りを希望している場合、事前の関係者・関係機関間における情報共有が重要となるが、診療報酬上の評価の対象となっていない等の視点が提示されました。

当日資料はこちら→ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000155666.html

<3/29中医協総会より>
●外来医療(その2)

厚労省からは生活習慣病に対する対応について、以下の論点を提示しました。

今後、生活習慣病の増加が見込まれるとともに、より質の高い医学管理や重症化予防の取り組みが求められる中で、かかりつけ医機能と専門医療機関等との連携の推進や、かかりつけ医を中心とした多職種との連携による効果的な医学管理等の推進、医療機関と保険者・自治体等の予防事業との情報共有の推進に資する評価のあり方について、どのように考えるか。

その後の議論では、支払い側は「40代は仕事が忙しくて受診できないことから、継続管理はICTで遠隔管理も考えていく必要があるのでは」と述べ、また「生活習慣病にアウトカム評価の考え方も入れてはどうか」と発言。これに対して診療側は「通院できないのは、仕事の在り方も問題」であると指摘、ICTについても「あくまで補完である」と牽制しました。

外来医療の今後の論点では、以下の様にアウトカム評価が用意されており、注視が必要です。

エビデンスに基づく外来医療の推進
-診療ガイドラインや最新の知見に関する情報共有と環境整備
-アウトカムに基づく評価の視点

当日資料はこちら→ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000156859.html

 

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