医療への管理・統制に警鐘 第192回定時代議員会開く  PDF

 京都府保険医協会は1月26日、第192回定時代議員会を開き、2016年度上半期活動報告および下半期重点方針、決議案を採択した。代議員55人、理事者20人の出席で、茨木和博副議長が進行した。

上半期重点活動を総括

 鈴木由一副理事長から16年度上半期の活動を総括。患者負担増計画の問題については、中止を求める請願署名に取り組み、11月末で2639筆、全国では既提出分とあわせ18万筆が国会に提出された。社会保障制度改革への取り組みでは、京都府地域医療構想策定部会や地域の調整会議を傍聴し、議論状況を把握。会員へ情報提供した。
 また、京都市が17年度に「子ども若者はぐくみ局」創設を打ち出した。これに伴い、区役所・支所の機構改革を行い、保健センターと福祉事務所を保健福祉センターへ再編する方針である。協会は意見書を提出し、地域密着の保健センター機能が必要だとして慎重な対応を求めた。さらに、各地区医師会との懇談において情報提供を行い、各地区の意見を集約するとともに、意見書への賛同を得た。
 診療報酬改善対策では、全会員に対し16年度の改定不合理点についてアンケートを実施。不合理是正要求としてまとめ、厚生労働大臣などに要請を行った。指導・監査問題では、保団連が厚労省に対し、親切丁寧に行う指導の実現を求め、改善要請書を提出。京都協会からも指導後の取扱いの改善を求めた。また、近畿厚生局京都事務所長宛てに京都府における行政指導の改善を求める要請書を提出した。
 一方で、協会の組織強化を目指し、共済制度利用に限定した「共済制度利用勤務医会員」、また勤務医に魅力ある共済制度として「保険医共済会グループ保険」の導入を決定。準備を進めていることを報告した。

住民・地方自治体と共同で医療保障を守ろう

 続いて、渡邉賢治副理事長が情勢を報告。「新専門医制度」と「地域医療構想」の両側面から、自由開業制見直し、保険医定数制導入への流れが一気に強まっていると指摘。複数の検討会等で協議されており、医師養成のすべての段階において、医師偏在解消を名目にした定員調整や、それらに対する都道府県の権限強化が検討されている状況を説明した。
 さらに国は医師像の転換をも目指していると指摘。保健医療2035策定懇談会の提言書では、高度医療を担い実践する医師と総合的な診療を担うかかりつけ医との二層化が示され、医師需給分科会および働き方ビジョン検討会では、並行してICT・AI等を活用した医療・介護のパラダイムシフトに対応しうる医師像が検討されていることを報告した。
 患者に対しても、生活を破壊しかねない負担増計画の推進、そして健康自己責任の制度化の加速など問題点を解説。地方自治体を巻き込み、医療への管理・統制政策が強行される中、地方自治体で進められる保健・医療・福祉行政への注視も必要であるとし、医療者と住民、さらには地方自治体と共同して、医療保障を守り国の制度改革に対抗する取り組みが一層求められると訴えた。

協会の下半期重点方針を確認

 情勢報告を受けて、垣田さち子理事長が下半期活動方針を提案。18年4月から市町村国保が都道府県化する。京都府でも医療費適正化計画の実行が求められるであろうが、医療提供体制の後退を招かないよう働きかける。京都市では、「地域リハビリテーション推進センター」「児童福祉センター」「こころの健康増進センター」の再編問題について、組織の機能縮小とならないよう、引き続き見直しを求めていく。また、「子ども若者はぐくみ局」の新設と、保健センターと福祉事務所の組織再編について、市民と連携しながら専門職の立場で意見を届ける活動を強める。「新専門医制度」においては、十分な議論が必要と指摘してきており、医療・医師のあり方を規定することから、新制度が必要かどうかも含め意見表明に努めるとした。
 本年度から施行される「地域医療連携推進法人」の動き、18年度から本格実施が見込まれる「データヘルス事業」などにも注視し、医療現場を担う立場から声をあげていきたいと述べた。
 また、こうした協会活動の基盤を支える組織の強化にも取り組んでいくと説明。提案はすべて賛成多数で採択された。(関連2面)

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