2600億円の財政支出で周産期医療は救える/民主・周産期医療報告書  PDF

2600億円の財政支出で周産期医療は救える/民主・周産期医療報告書

 新生児集中治療室(NICU) を8年から10年かけて全国で1000床増やすなど周産期医療に関する提言を盛り込んだ民主党の報告書が12月17日、次の内閣(NC) 閣議でまとまった。出産一時金に加え出産1人当たり20万円の出産時助成金を妊婦に交付することや周産期医療現場での労働基準法の順守なども求めている。

 報告書では出産時助成金に約2000億円、NICUの増床など医療体制整備に約600億円、合わせて2600億円の財政支出で周産期医療の再建が可能だとしている。

 不足しているNICUの病床はまず500床増やし、医学部の定員増により医師数の増える8年から10年後までにさらに500床増やす。現状の2000床から3000床体制を目指す。1床当たりにかかる年間の費用を3000万円と見積もり、1000床増で300億円。必要な予算は診療報酬改定と補助金で手当てする。

 出産時助成金は現行の出産一時金38万円(2009年1月から) に加え出産1人当たり20万円の出産時助成金を国庫から交付する。未収金対策として出産一時金は医療保険者から直接医療機関に支払い、出産時助成金は妊婦に交付する。厚生労働省が12日の社会保障審議会・医療保険部会で示した総額42万円の出産一時金と比べ、民主案では出産時助成金を含め計58万円と16万円も多いとしている。国内では年間約100万分娩あるため、新たに2000億円の国庫負担が必要と試算している。

 周産期医療の従事者に対するインセンティブとして「新生児科」を標榜科として認めることや、母体・新生児搬送受け入れの実績に応じて補助金を上乗せすることなどを挙げている。

 東京都内で脳内出血を起こした妊産婦が複数の病院に受け入れを断られる周産期医療の問題が相次いで発生したため、国に先駆け民主党としての提言をまとめた。(12/18MEDIFAXより)

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