2010年度予算、2200億円削減はない/骨太09を閣議決定「06踏まえ」は残る  PDF

2010年度予算、2200億円削減はない/骨太09を閣議決定「06踏まえ」は残る

 政府は6月23日、臨時閣議を開き、2010年度の予算編成の基本方針を盛り込んだ「経済財政改革の基本方針(骨太方針)09」を決定した。同日午前に開かれた自民党総務会で、社会保障費2200億円削減を継続しないことは確認したが、「骨太06等を踏まえ」という歳出削減の象徴的文言は原案通り残す形で決着した。与謝野馨経済財政担当相(財務相)は同日の臨時閣議終了後の記者会見で「自然増はそのまま認める」とし、10年度予算で機械的な2200億円の削減は行わないことを約束した。

 閣議決定した骨太09では、今後の財政運営の在り方について「短期は大胆、中期は責任」の観点で進めるとの方針を掲げた。10年度予算の方向としては「骨太06等を踏まえ、無駄の排除など歳出改革を継続しつつ、安心・安全を確保するために社会保障の必要な修復をする」と明記。原案の文章に「無駄の排除など」「社会保障の必要な修復をする」との文言を加筆した。機械的な歳出削減が社会保障に悪影響を及ぼしたことを想起させる表現を加え、歳出削減色を薄めることで、「骨太06」の記載だけは何とか残した格好だ。さらに「08年度とは異なる概算要求基準を設定し、メリハリの効いた予算編成を行う」とも明記し、前年度のシーリングとの違いを強調する表現も織り交ぜた。

 与謝野経財相は、10年度予算編成での社会保障費2200億円削減の考え方として「自然増はそのまま認める。無理のない範囲で節約に努めるが、数字をもって節約の目標を示すことはしない。節約した部分は社会保障に充てると与党に説明し、了承を取り付けた」と述べた。ただ「与野党通じて無理な抑制はやめてくれ、というのが国会のコンセンサス。抑制はするが、医療、介護現場を考えて無理な抑制は避けるということ。無理のない範囲で最大限の抑制をする。11年度に累積して自然増を1兆1000億円抑えるということは変わらない」とも述べ、骨太06の歳出削減の考え方は継続しているとした。(6/24MEDIFAXより)

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