07年度国保医療費総額、対前年比3.7%増/国保中央会速報

07年度国保医療費総額、対前年比3.7%増/国保中央会速報

 国保中央会が7月8日に発表した2007年度国保医療費速報によると、市町村国保(一般、退職、老人)の医療費総額は対前年度比3.7%増の19兆497億円となった。診療報酬改定のなかった01年度、03年度、05年度の対前年度比はそれぞれ5.4%増、5.0%増、4.3%増と推移していたが、伸び率は引き続き減少傾向にある。被保険者数が07年度4723万人で対前年度比0.9%減となるなど、前年度から引き続き減少した影響もうかがえる。

 市町村国保の被保険者は一般2781万人(対前年度比2.1%減)、退職888万人(同5.8%増)、老人1053万人(同3.2%減) となっている。国保組合を含めた国保合計の被保険者は、1994年度に増加傾向になって以来、06年度に減少に転じた。07年度は5109万人で前年度から0.9%減少している。国保中央会では被保険者の減少傾向について、景気回復の影響とみている。また、派遣労働者の増加が被用者保険への移行につながったとの見方もある。

 市町村国保医療費の内訳は一般6兆3459億円(3.5%増)、退職3兆5476億円(11.1%増)、老人9兆1561億円(1.3%増) だった。02年10月から段階的に老人保健制度の対象年齢を引き上げている制度変更の影響を除いた70歳区分で線引きし直すと、一般は0.6%減、退職1.3%増、老人6.3%増となっている。

 診療別では、訪問看護が8.4%増で最も大きな伸び率を示した。続いて、入院外(調剤を含む) 4.3%増、入院(食事療養・生活療養を含む) 3.6%増。減少したのは歯科で、0.2%減だった。また、調剤のみでは9.4%増と高い伸び率を示した。(7/9MEDIFAXより)

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