06年度の国民医療費は33兆1276億円/マイナス改定で微減

06年度の国民医療費は33兆1276億円/マイナス改定で微減

 厚生労働省が8月28日に発表した「2006年度国民医療費の概況」(資料1) によると、06年度の国民医療費は前年度比0.004%減の33兆1276億円となり、前年度に次いで過去2番目に高い額となった。国民1人当たりの医療費は25万9300円で、国民所得に占める国民医療費の比率は8.88%だった。また、65歳以上高齢者の医療費割合は51.7%で、1人当たりの国民医療費は64歳以下の約4倍だった。

 国民医療費の減少について厚労省大臣官房統計情報部は「06年度診療報酬改定がマイナス3.16%だったことが影響している」としている。統計情報部によると、06年度国民医療費は高齢化の進展で前年度比1.3%増、医療の高度化を含む自然増で1.8%増だったものの、マイナス3.16%の改定によって結果的に0.004%減となった。

 制度区分別に国民医療費を見ると、医療保険等給付分が2.5%増の15兆9272億円となり、老人保健給付分は3.8%減の10兆2325億円、医療機関窓口での患者負担分は0.036%減の4兆7555億円となった。老人保健給付分の減少は、老人医療の対象年齢が02年から毎年1歳ずつ引き上げられたことによる。

 財源別では、公費分は12兆1274億円(36.6%)、保険料分は16兆2245億円(49.0%)。公費分は前年比0.6%増で、統計情報部は「小児医療の無料化など、地方公共団体の単独実施による医療費増が要因」としている。

 年齢階級別に見ると、65歳未満が16兆43億円、65歳以上が17兆1233億円で、65歳以上が51.7%と半数を超えた。一般診療医療費に限ると、65歳未満は11兆4095億円、65歳以上は13兆6373億円。70歳以上は11兆132億円で44.0%を占めた。1人当たりの国民医療費は65歳未満の15万8200円に対し、65歳以上は64万3600円で、約4倍の格差があった。

 診療種類別の内訳は、一般診療医療費が0.3%増の25兆468億円(入院12兆2543億円、入院外12兆7925億円)、歯科診療医療費は2.8%減の2兆5039億円。薬局調剤医療費は医薬分業の進展により3.2%増え、4兆7061億円だった。(8/29MEDIFAXより)

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