08年麻しん報告数「排除基準」に遠く/感染研、100万人当たり86.1人  PDF

08年麻しん報告数「排除基準」に遠く/感染研、100万人当たり86.1人

 2008年1年間の麻しん患者数は1万1007人で、人口10万人当たりに換算すると86.1人だったことが、国立感染症研究所のまとめで分かった。国が07年に策定した「麻しん排除計画」では、12年までに麻しんを国内から排除するとしているが、WHOが排除の基準としている「100万人当たり1人未満」には遠く及んでいない。

 国は、07年に大学生を中心とする10−20代の若者の間で麻しんが大流行したことなどを受け、「麻しん排除計画」を策定。12年までに麻しんを国内から排除するとし、08年度から中学1年生相当の年齢(第3期)と高校3年生相当の年齢(第4期)を対象に麻しんワクチンの定期接種を開始。接種率95%を目標としているが、第3期で66.1%、第4期でも58.1% と低迷している。

 報告された患者数を年齢別に見ると、15−19歳が最も多く2906人(26.4%)。10−14歳が1838人(16.7%)、0−4歳が1680人(15.3%)、 20−24歳が1408人(12.8%) と続いており、1回しか予防接種の機会がなく、免疫力の弱い若い世代が患者の大半を占めている。接種歴別に見ても、未接種者が4910人(44.6%)と圧倒的に多く、1回接種者が2933人(26.6%)、2回接種者が131人(1.2%)だった。接種歴が分からない患者も3033人(27.6%)いた。

 こうした現状に厚生労働省は「目標達成が危ぶまれる状況」と危機感を表明。厚労省の「麻しん対策推進会議」で座長を務める国立成育医療センターの加藤達夫総長は、接種率向上に向け、自治体や学校関係者に対し未接種者の把握や積極的な接種勧奨などに取り組むことを提言している。

 一方、脳炎合併症の報告は9例あり、年代別に見ると10代2人、20代3人、30代2人、40代2人。5人に接種歴がなく、3人は接種歴が不明だった。重篤な例としては、神奈川県の20代男性で高次脳機能障害が残った。この男性は親の記憶によると、1歳の時に予防接種を受けていたという。(3/9MEDI FAXより)

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