駆け込み寺“あっせん”/高齢者虐待で京都市

駆け込み寺“あっせん”/高齢者虐待で京都市

 京都市内で高齢者の虐待発生件数が増加していることを受け、市は10月2日までに、2008年度中に虐待を受けているすべての高齢者を対象に避難場所をあっせんする方針を決めた。全国でも珍しい取り組みといい、虐待を受けた高齢者の「駆け込み寺」として、虐待防止の強化を図っていく。

 市によると、07年度の高齢者虐待発生件数は302件で、調査を開始した06年度と比べて47件増えるなど虐待被害が深刻化しているという。

 高齢者の避難場所については、市はこれまで介護保険制度を活用し、保険適用者に老人ホームなどを紹介している。しかし、保険が適用されない高齢者が虐待被害に遭うケースもあることから、すべての高齢者を対象にすることにした。

 計画では、市内61カ所の高齢者の支援機関「地域包括支援センター」が窓口となり、高齢者からの相談を受け付ける。避難が必要と認められた場合、避難場所として市内の老人ホームやケアハウスなどの空き部屋をあっせんする。

 避難場所の居住費と食費は自己負担で、避難期間を検討している。「長くとも半年以内」(市長寿福祉課) とし、あくまで一時的な避難場所とする方針。高齢者が退去する場合は、転居先の紹介など必要な支援も行う。

 現在、市内の老人福祉施設などに空き部屋の数などについて照会しており、準備が整い次第受け付けを始める。

ページの先頭へ