適正分娩費用、現状と10万円以上の差/産婦人科医会調査  PDF

適正分娩費用、現状と10万円以上の差/産婦人科医会調査

 医療機関が考える分娩の適正費用は53万4596円で、実際の費用とは11万639円の開きがあることが6月10日、日本産婦人科医会の調査で分かった。自治体病院では費用が低く抑えられているところが多く、同会は「周産期医療崩壊を防ぐ手だての1つに分娩費用の増額があると考える。特に地方の公立病院の設立者には熟考を求めたい」と指摘している。

 調査は2009年1月、同会に登録している病院・診療所2886施設を対象に行い、1707施設(59.1%)から回答を得た。

 調査結果によると、1人当たりの分娩費用の平均は42万3957円。設立母体別に見ると、大学病院が47万9284円で最も高く、市町村立は38万6718円、都道府県立は36万9623円で最も低かった。

 一方、適正と考える費用の平均は53万4596円で、実際の費用との差は11万639円。現状と適正の差が大きかったのは、大学病院(16万4774円)と都道府県立(13万8495円)、市町村立(12万6530円)だった。約6割の施設が「現行の費用には必要な経費すべてが含まれていない」と回答しており、同会は「利益分などを加えると、適正分娩費用は60万円前後になる」としている。

 適正と考えられる費用と現状の間に10万円以上の差がある一方、分娩費用の増額を予定しているとした792施設に増額予定額を聞いたところ、多くの施設は3万−5万円台の増額にとどまった。不足分を賄うだけの費用を増額できない理由としては、「地域住民の所得水準が低い」「私的施設と競合している」「分娩費用の安い公立病院がある」などの回答が多かった。

 調査結果について同会は「都道府県立、市町村立病院は採算を度外視した施設が多い。近隣医療機関の費用設定に与える影響も大きく、費用の決定方法も含め、早急な改善が求められる」としている。(6/11MEDIFAXより)

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