読者のひっち俳句

読者のひっち俳句

隆英 選

入選

夜の風縁先打つは椎の実か

善郎

佳作

悩みあり山門入れば池紅葉

善郎

見なれたる狭庭なれども薄紅葉

珠子

秋の雨軒下ひくき宿場町

珠子

木の根さけ鷺は落葉をふみゆけり

珠子

コスモスの丘は空までつづきけり

すだちもぐ小鳥の声のちちちちと

池の辺やさくらもみぢの散りそめて

後の月遮る雪の迅さかな

絢子

梢より銀杏紅葉の始まれり

絢子

時代祭進むや肩を打つ雨に

絢子

(順不同、仮名づかい新旧自由)

短 評

 善郎さん、夜が更けて風が強くなってきました。雨まじりの風かも分かりません。時々縁にころころと何か落ちてころがる音がします。あれは庭にある椎の木の実かも知れない。雨だけでなく、縁を叩くような音に一層寂しさが募ってきたのです。改行第二句どこのお寺でしょう。私はすぐ法然院を思いうかべました。茅葺の山門の左下に「不許入葷辛酒肉」の石柱があり門を入ると左右に白砂壇、四季それぞれの花や葉が描かれています。今でしたら、水流紋に紅葉でしょう。その間を通れば身は清められ、池があります。悩みは流されたことでしょう。

 珠子さん、「宿場町」は何処かしら。方々にありますが、私は信州の奈良井が目にうかびます。

 素さん、雲ひとつない青空、あるいはあってもかろやかな秋の雲。丘を下から見上げれば、本当に空まで続いているよう、さわやかな句です。

 絢子さん、原句は十三夜でしたが、「後の月」としました。陰暦九月十三日の月のことで、冷え冷えとした月光が降り注ぎます。

選者吟

患者よりの新米まさに白ダイヤ

隆英

<応募要領>◇ハガキに5句以内、未発表のもの。応募作品は返却致しません◇住所、氏名、電話番号明記。ただし作品はペンネームで結構です◇送り先:協会保険医新聞担当◇毎月15日締切。毎月第1週号に発表します◇入選者には記念品贈呈◇作品の発表にあたり選者が添削する場合があります。1月は休載します。

【京都保険医新聞第2667・68号_2008年12月1・8_5面】

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