読者のひっち俳句 隆英選

読者のひっち俳句 隆英選

入選

同期よし昔話に甲羅酒

絢子

佳作

出番待つ鬼一列に追儺寺

絢子

残雪の深山に響く鐘一打

絢子

若人ぞくぞく天神さまに梅薫る

しゅすらんのいくつ咲くやと日ごと見る

初日の出棚引く雲の架かりゐし

善郎

年明くる去年の煩い消えて妙

善郎

春を待つ園児は花壇手入れして

珠子

ことわりを言ひつつ二月礼者かな

珠子

義理チョコとはつきり解り梅二月

青磁

母の夢黄蝶となつて守り給ふ

青磁

(順不同、仮名づかい新旧自由)

短 評

 絢子さん、歳時記を見ましたが甲羅酒は出ておりません。しかし、甲羅煮、甲羅蒸で出ていますから甲羅酒も季語として充分通用します。甲羅煮は冬が旬の日本海産のズワイ蟹料理で、蟹味噌やほぐした身を甲羅につめ、醤油、味醂、砂糖で味をつけ炭火でとろとろ煮ながら…とあります。同期のつどいは本当にたのしいですね。ここまで読むと一杯やりたくなりました。「残雪」の原句は「雪残る」でしたが、ザンセツと音読みにした方が、語感に響が出てきます。

 素さん、繻子蘭は歳時記にないので植物図鑑を見ました。トキソウ、ネジバナと同じラン科で林に生える。葉の表が黒緑でビロード状のつやがあり、10―15センチとありました。

 青磁さん、義理チョコは季語がありません。バレンタインの日では長くなるし、それはチョコで分かるので「梅二月」としました。

選者吟

鵯目白鳩 ひよめじろはと に雀と庭の春

隆英

◇ハガキに5句以内、未発表のもの。応募作品は返却致しません◇住所、氏名、電話番号明記。ただし作品はペンネームで結構です◇送り先:協会保険医新聞担当◇毎月15日締切。毎月第1週号に発表します◇入選者には記念品贈呈◇作品の発表にあたり選者が添削する場合があります。あらかじめご了承下さい。

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