自由詩コーナー 谷口 謙 選

自由詩コーナー 谷口 謙 選

 星座図鑑(76)くじゃく座 m.

右をみて

左をみて

羽をひろげる

美しい星たち

誰もみていないが

 春の山 門林岩雄

ひとりしずかに

山に入る

そこはおのれと

むきあうところ

 詩

少ないことばを

そっとおくことばの鮮度

ことばの旨み

それでいい

おれの詩は

選び抜いたことば

練り上げた配置

精神の高揚あれば

それでいい

 川岸

ボタン桜と菜の花と

なにかしきりに話してる

 未練 加藤善郎

どの花も絢爛と咲きそして散り

実を結び一ととせを了える

人は年毎にくり返し見ては

懲りもせず春愁と秋愁に浸る

やがて迎える花の無い季節

移ろう四季を返し見ては

勝手に抱くいとしさと幻想

その先は凡て愉しい日々とか

そして今気儘と知り乍ら

いつまでも抱きつづけたい未練

 「巻き込まれるといい。風に雨に嵐に雪に。だけど、さいごには帰ってくるといい。静かな青空に。コトバもいらない 晴れて、さわやかな天空に。それこそが、自分の心の本当の姿かも知れないのだから。そして、どんな生き物の中にも、そんな静かな青空が、ちゃんと潜んでいるのだから」(奥野祐子)

 いま現代詩は女性の時代なのでしょうか。出された詩集の前書きにも後記にもいい言葉がつめてあります。どうか女性の方もご参加を。

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