自民「まずは財源確保」、民主「削減は取りやめ」/三保連の質問状に回答  PDF

自民「まずは財源確保」、民主「削減は取りやめ」/三保連の質問状に回答

 総選挙を控え三保連が送付した公開質問状への回答で、民主党は「社会保障費2200億円の削減を取りやめる」と削減撤廃を明言したのに対し、自民党は社会保障費削減について「安定的な財源を確保していくことが重要」と削減撤廃にまで踏み込んだ回答を避けていたことが10月21日、分かった。三保連を構成する内科系学会社会保険連合、外科系学会社会保険委員会連合、看護系学会等社会保険連合は、それぞれのホームページで両党から届いた回答の全文を公開する。

 両党への質問は、(1)社会保障費の毎年2200億円の削減を取りやめるか、(2)対GDP比医療費について、OECD加盟25カ国中22位の現状から18位以上にまで拡大することを公約できるか、(3)医療費増の財源はどこに求めるか―の3点。自民党の麻生太郎総裁と民主党の小沢一郎代表にあてて送付した。三保連によると、こうした試みは学会関係では初めて。

 両党からの回答では、社会保障費2200億円の削減について民主党は「財政削減を目的とした社会保障制度の見直しは、国民の生活を脅かしかねない。社会保障費2200億円の削減を取りやめ、医療・介護・年金などの社会保障費を拡充する」と回答。一方、自民党は「社会保障制度が国民の暮らしを支えるセーフティーネットとしての役割を維持していくためには、給付の合理化・効率化を進めることも必要だが、それにも増して安定的な財源確保が重要」とし、削減撤廃とは明記せず財源確保が先決との認識を示した。

 対GDP比医療費のアップを公約できるかどうかについて、自民党は「具体的な公約とすることは難しい」とした上で、「医療費の増大やこれに伴う財政支出の増大は避けられず、安定的な財源を確保していくことが重要」と記した。民主党は「国民皆保険制度を守るためには、国の支出を集中的に増やす必要がある。医師不足解消のため医師養成数の拡充や休職中の医師の復職支援、国保の財政支援に財源を投入する」と答えた。

 最後の質問の財源については、自民党が「消費税を含む税体系の抜本的改革を進めていくことが必要」としたのに対し、民主党は増税には触れず、独立行政法人や公益法人を抜本的に見直し補助金を削減するとしたほか、財政投融資特別会計や外国為替資金特別会計の積立金などいわゆる「埋蔵金」の一部を活用すると説明した。(10/22MEDIFAXより)

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