臨床研修修了者の帰学率55.9%/全国医学部長病院長会議が調査

臨床研修修了者の帰学率55.9%/全国医学部長病院長会議が調査

 全国医学部長病院長会議は7月10日、東京都内で記者会見し、臨床研修修了者の大学(出身大学以外を含む) への帰学状況調査の結果を発表した。それによると、2008年4月時点の帰学率は55.9%で前年と比べ3.9ポイント向上した。

 全国80医科大学・医学部から研修修了者の帰学状況を聞き、制度開始前の02年の大学への残留率と第1期修了者が出た06年以降の帰学率の推移を比較した。

 08年の地域ブロック別の帰学率は、関東が82.3%で最も高く、九州の64.3%、北海道の56.2%などが続いた。九州は前年を17.6ポイント、北海道は同じく17.5ポイント上回り回復傾向が見られた。一方、四国28.7%、東北32.7%などは低迷している。

 また、調査結果は人口50万人以上の都市を持つ都道府県での帰学率の平均が制度開始前と比較してほとんど変化がないのに対し、それ以外の地域では制度開始前と比べて帰学率がほぼ半減していることを指摘し、「大学の各診療科に若手医師が所属することで中堅医師が過疎地や地域医療の手伝いができた。制度開始に伴う地方大学の医師不足で過疎地医療のサポート体制が崩れた」と分析した。

 08年の帰学者の診療科別の割合を見ると、外科が8.4%となり02年と比べ大きく減少していることも重大視。小川会長は「簡単な手術を受ければ治る病気で命を落とすような状況に、近い将来なりかねない」と危機感をあらわにした。(7/11MEDIFAXより)

ページの先頭へ