第178回定時代議員会/質疑応答の要旨

第178回定時代議員会/質疑応答の要旨

(文責・編集部)

決議(案)について

 高島基三代議員(右京) 決議案の事項に「社会保険診療報酬に関わる事業税の非課税措置を存続すること」とあるが、一人医師医療法人になれば事業税がかかってくるのではないか。

 内田亮彦副理事長 社会保険診療報酬に関して、現在は法人・個人とも非課税である。従って一人医療法人であっても非課税措置となっている。ただし、自由診療の部分については事業税はかかる。

医師会との関係について

 小林充代議員(綾部・文書にて意見提出) 地区での議論の中で、府医師会と協会との違いが分からない、違うというなら組織として違うラインを持つべきだ、という意見が出た。また、費用が府医と同じくらいかかるのに、事業が府医に比し少なく使途が分かりにくいとの指摘もあった。

 関浩理事長 原則論から言えば、協会と府医はそれぞれ「規約」「定款」をもち、その中に設立の目的が記されている。協会の目的は「医療保障制度の確立と制度運用の合理化の追求」「保険医の知識と技能の向上と生活権の擁護」の2項、府医の目的は「医道の高揚、医学及び医療の進歩並びに公衆衛生の向上を図り、もって社会福祉を増進する」となっている。両会ともそれぞれの目的に沿って事業を進めていると考える。現実的には両会で重複する事業があることも確かだ。しかし、それらはいずれも、会員が今必要としている事業は何か、と考えた末の結果だ。「組織として違うラインをもつべき」との意見については、その意図するところがどこにあるか、さらにご意見をうかがいたいと思う。付記すれば、協会は会員の皆さんの医療行政に対しての怒り、不満に即応してゆきたい。

 「会費」について、協会会費は一律月5500円で、24年間据え置きである。一方、府医会費は平成22年度の予定額がA会員・月1万7500円、B会員・月3200円、C・D会員・月700円とされている。A会員だけをみれば、協会はほぼ3分の1の会費で運営していることになる。また、毎年の総会ごとに全会員に送付している「議案書」には、活動報告、活動計画及び会費使途を明示している。協会の現状についてご理解いただくとともに、引き続きご意見・ご叱正をお願いしたい。

■診療報酬改定について

 吉河正人代議員(福知山) 足立政務官は、再診料の引き下げをしても、診療時間外にも対応しているような医療機関にはその影響が出ないように、手当てを行うということを言っていた。果たしてそういったことが本当にできるのか。

 _鈴木卓副理事長 再診料を引き下げても、地域医療にまじめに取り組んでいる医療機関に影響が出ないようにしたいということだ。いわゆるビル診を想定して、標榜時間外にも対応しているところよりは若干引き下げるということのようだ。しかし、その方法は不明であり、中医協においても具体的な議論はされていない。再診料と外来管理加算の結論は非常に不透明な状況にある。

 協会は、改定関連情報を、月末に「ブルーペーパー」にまとめて会員に送付するなど、適宜情報提供している。また、納得できないような内容などが出された場合には、談話などを発表し、マスコミを含めてアピールしていきたい。

■情勢報告について

 島津恒敏代議員(中西)

 情勢報告等を聞いていて、緊張感を欠いていると感じた。日本はもはや国家財政破綻の手前である。現政権は、この破綻しかけた日本を運営していけるのか。この状況下で医療の拡充を求めるのは非常に厳しい。また、現状に至らしめた自公政権の責任はどうなのか。国の在り方や医療・経済について、真剣に考えるべき時にきている。

 垣田さち子副理事長 危機的な情勢にあるということは、ここにいる全ての方が思っていることだろう。昨日もNHKで自由診療を推奨するかのような内容の番組が放送されていて、非常に驚いた。医療を守る我々としては、どういった観点に立って、何を最低限のよりどころにするか常に考えなければいけない。

 島津代議員 歯科医療はほとんどが自由診療であり、医科にもその影響が入り込もうとしている。必死で抵抗しなければ、私たち医師の収入にも影響するだろうし、最終的には社会的弱者にしわ寄せがいってしまうことになる。

 垣田副理事長 今回の活動方針や決議は、かなり確信的に考えて運動を呼びかけている。理事者も事務局も、京都の医療のために頑張らなければいけないという強い思いで、運動に関わっている。

■新会館問題について

 島津代議員 喫緊の課題としては、新医師会館問題がある。府医は協会を入居させないという話を聞くが、そのようなことがまかり通る状況に、誰も口をささない。個人的には、協会が新医師会館に入居できるように要望するが、全ての会員もそういった意思を表明する責任がある。しっかり議論しなければ、協会自身がだめになるのではないかという危機を感じる。

 関理事長 新医師会館は今年8月に完成することになっている。これに伴い、昨年12月14日に府医より、現「賃貸借契約書」を8月31日をもって解約するとの通知があった。一方的な解約通知は法的に問題があるということで、12月21日付でその旨を伝え、正当事由の開示を文書で求めたが、それに対する回答はいま現在ない(註・その後に回答があった)。私たちは、あくまで両者の合意の基に手続きが成立するものと考えている。協会は創立以来60年、府医師会館に事務所を構えている歴史的経緯を勘案すれば、当然の主張であると考えている。また、他府県はどうだという意見もあるが、よそと横並びはあえてしないという風土もあるように思える。私たちは府医師会館以外に事務所を構えるということを了解したわけではない。協会会員も府医会員も、その多くは両会が同居することを強く望んでいる。これは、地区医師会との懇談で多くの会員から出される意見でもある。

 昨年10月17日に開かれた府医代議員会において、新医師会館への協会の入居問題が議論され、府医執行部より「会員の意見を聞いたうえで決定したい」と提起され、議長がそれを結論として代議員会を終了している。この結論が未だ実行されていないと考える。府医執行部には、速やかに広く会員の意見を集約する「場」を設け、会員の意見を的確に把握した上で、大多数の会員が納得できる結論を導き出していただくことを強く要望したい。新医師会館の原資の大部分は会員の会費である。よって、新医師会館に入居する団体は、会員が決定するべき事柄である。

 垣田副理事長 協会の理事者は地区や専門医会から選出され、会員のためという思いだけで一生懸命仕事をさせていただいている。それ以外の特別な目的や思想があってやっているわけではない。もし、新医師会館に入居できないことになれば、これまでのように地区から選出してもらえるのかを危惧する。協会を守り、協会を自分たちの組織として育てていこうという気持ちがおありだと思うので、会員の皆さんが声をあげて結論を出してほしい。

ページの先頭へ