私のすすめるBOOK/絵画で被ばく者の声を世界に  PDF

私のすすめるBOOK/絵画で被ばく者の声を世界に

 河勝重美(かわかつしげよし)氏は、戦後間もなく、ドイツ・パナソニック社の社長として約50年間、彼の地で過ごしました。氏は09年に帰国され、現在、奈良に在住しています。昨年8月初旬、新聞紙上で、氏が英語版e-Book「原爆地獄」を作ったこと、木津川市で講演会が催されるとの記事が目にとまりました。小生は、同年8月末に、スイスに渡り、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)国際会議に参加する準備を進めていました。早速、出掛けると、英語版e-Bookとドイツ語版を購入し、渡欧の際、携えました。

 河勝氏は、役職を終えると、08年10月に、当地で、「An jenem Morgen wie am Tagdanach Zeitungen ueber das Inferno von Hiroshima」を完成させました。広島平和祈念資料館のデータベースから被爆者の絵画(約170枚)と説明文を引用しています。Projekte-Verlag社より出版され、フランクフルト見本市に出されました。出版にあたって、キール大学の学友から、「貴重な資料だ。採算は問題ありません。全国の図書館が引き受け入れてくれます」と励まされました。帰国後、それらを英訳し、10年7月には英語版e-Bookを、今年7月には、日本語版「ヒロシマ原爆地獄―ヒロシマの生き証人は語り継ぐ」を完成させ、8月の原水爆禁止世界大会に間に合わせました。

 氏を決意させたものは何だったでしょうか。旧制中学の同窓に、後にデザイナーや企業人として成功した親友がいました。平和市長会議の呼びかけによる被爆者の声を世界に広める運動を契機に、河勝氏は2人が被爆者やその家族であることを知り、ドイツ語訳に協力する過程で、被爆者の絵や証言の存在を知りました。この夏の日本語出版には、反核京都医師の会出版の『医師たちのヒロシマ』(1992年)から随所に引用されています。

(反核京都医師の会世話人 代表 三宅成恒)

『ヒロシマ原爆地獄−ヒロシマの生き証人は語り描く』河勝重美編、ヒロシマ「原爆地獄」を世界に弘める会発行、定価1905円+税、2011年7月刊(注文は反核京都医師の会を通じて)

『ヒロシマ原爆地獄−ヒロシマの生き証人は語り描く』 河勝重美編、
ヒロシマ「原爆地獄」を世界に弘める会発行、定価1905円+税、
2011年7月刊(注文は反核京都医師の会を通じて)

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