社会保障費の削減は言及せず/骨太09素案  PDF

社会保障費の削減は言及せず/骨太09素案

 政府は6月9日の経済財政諮問会議に、2010年度予算編成の基本的な考え方となる「基本方針09(骨太の方針09)」の素案を提示した。10年度予算の方向として「持続的な経済成長と財政健全化の両立を図る上で重要な予算。基本方針06などを踏まえ、歳出改革を継続しつつ、現下の経済状況への必要な対応を行う」と明記。懸案となっている社会保障費2200億円削減には言及せず、撤回をめぐる攻防は、10年度予算の概算要求基準の折衝にまでもつれ込むことになる。

 骨太方針09は、今後の財政運営の在り方について、麻生首相が主張する「短期は大胆」との考えを踏襲。引き続き景気回復を最優先で進める考えを示すとともに、「中期は責任」との方針の下、経済成長や社会保障制度を持続可能なものとするために財政健全化に取り組むとした。

 財政再建に向けては、新たな目標の基本として「債務残高対GDP比」を据えた。具体的には「債務残高対GDP比を10年代半ばにかけて少なくとも安定化させ、20年代初めには安定的に引き下げる」とした。骨太方針06で財政再建の目標と位置付けていた11年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化の達成は断念し「今後10年以内に黒字化の確実な達成を目指す」とトーンダウンした。さらに「まず景気を回復させ、5年を待たずにPB赤字の対GDP比を少なくとも半減させる」とも記した。

 また、成長力強化の1つとして「健康長寿」を盛り込んだ。介護分野での雇用を3年間で30万人創出するほか、地域医療の強化や、新型インフルエンザワクチンの開発・生産期間の短縮などを推進する方針をあらためて示した。具体策としては、介護人材の処遇改善やキャリア形成支援のほか、大学病院の機能強化、医療機関に対する優遇融資の拡充などを盛り込んだ。

 IT化の推進に向けては、13年度までに「国民電子私書箱(仮称)」の整備を目指す方針を掲げ、「社会保障番号・カード(仮称)」と重複が生じないよう、一体的に検討し、09年度中に基本方針を策定するとした。

 規制改革では「医師と看護師らの間の役割分担の見直し(専門看護師の業務拡大など)について、専門家会議で検討を行い、09年度中に具体案を取りまとめる」と明記した。また、設置期限を迎える規制改革会議については「今後の推進体制について検討することとし、09年度中に成案を得る」とした。(6/10MEDIFAXより)

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