社会保障の負担増「やむを得ない」3割超/高齢期の社会保障意識調査

社会保障の負担増「やむを得ない」3割超
/高齢期の社会保障意識調査

 少子高齢化に伴う社会保障費の負担増はやむを得ないと考えている人が3割を超えることが8月5日、厚生労働省の「2006年高齢期における社会保障に関する意識等調査」報告書で分かった。年齢が上がるにつれ「負担増はやむを得ない」とする割合が高かった。誰が負担増を引き受けるのかについては、全体の約3割が「高齢者の負担は現状程度とし、現役世代が負担すべき」と回答し、「高齢者の負担増が必要」とする割合を上回った。

 調査は「06年国民生活基礎調査」の後続調査で、06年7月13日に実施。06年国民生活基礎調査の対象単位区から無作為に抽出した360単位区内のうち、20歳以上の人を対象とし、1万1086人から回答を得た。回答者のうち65歳以上は29.0%を占めた。

 社会保障の給付と負担について聞いたところ「現在程度の給付水準を維持する必要があり、負担増はやむを得ない」が35.2%で、「少子高齢化による負担増は極力抑制し、給付の見直しもやむを得ない」の23.8%を上回った。

 今後見込まれる負担増については「現役世代が負担すべき」の30.2%が最多で、「現役世代の負担の上昇を緩和するために高齢者の負担が重くなってもやむを得ない」の22.6%が続いた。年齢階級別にみると、若い世代では「現役世代の負担緩和、高齢者の負担増」を挙げる意見が多い一方、高年齢層では「現役世代が負担すべき」が多く、世代間の考え方の違いが浮き彫りとなった。

 同調査では、在宅介護についての意識も聞いた。「年をとって介護を必要とする場合」の生活の場所については「老人ホームなどの施設」が27.1%で最も多かったが、「住み続けた自分の家」や「子どもと同じ家」など「在宅」での生活の希望を合計すると37.9%に上り、「施設」を希望する割合を上回っていた。

 人生の最後を過ごす場所については「住み続けた家」の28.2%が最も多く、次いで「病院など医療機関」が25.9%、「子どもと同じ家」が8.3%で、在宅を希望する傾向がみられた。

 自宅で介護される場合の態勢は「家族を中心とし外部(サービス) を利用」が28.1%、「外部を中心とし、家族の介護を受ける」が35.8%など、家族介護と外部の介護サービスの両方を希望する人が多かった。年齢別にみると、若い世代は外部サービスを希望する割合が高い一方、高年齢層は「家族を中心」とする人が多かった。(8/6MEDIFAXより)

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