洛中・洛北をそぞろ歩き 環境ハイキングに参加して

洛中・洛北をそぞろ歩き 環境ハイキングに参加して

 4月25日、環境ハイキングに参加した。今回は阪急大宮駅前に集合、久しぶりの快晴のもと、総勢22人でハイキング開始。

 大宮通を北上、六角通り上ルにある「タバコフリーミュージアム」を左に見ながら先へ。

 マラソンの野口みずき選手の雨天練習場になっていた三条商店街を越え、忍者屋敷の趣が残る二条陣屋を経て御池通、さらに堀川通りへ。国際ホテル前から堀川川底遊歩道を北上しつつ散策。そこは自転車も通らない本当の散策路で、名残の桜を愛でつつ久しぶりの寛ぎを満喫しました。川底は都会の中に関わらず、喧騒から隔絶した静謐な別天地でした。陰陽師・安倍清明が“式神”を飼っていたとされる一条戻り橋で終点。そこから地上に出て西陣織会館でトイレ休憩。清明神社を参拝し、路地を今出川通へ。京都市考古資料館(旧西陣織物会館)を見学。これから向かう“御土居”の資料をゲットしてさらに大宮通を北上、智恵光院五辻にある本隆寺を参拝、さらに雨宝院(西陣聖天)で満開の御衣黄桜を堪能。石畳が美しい浄福寺通りを、“織成館”などの佇まいで西陣の風情を楽しみました。その後、通称“猫寺”称念寺の前を通り鞍馬口通に到達、国指定有形文化財に登録されている船岡温泉の外観の重厚な佇まいを鑑賞し、船岡山へ。東から入り、織田信長を祀る建勲神社(たけいさおじんじゃ:通称:けんくんじんじゃ)を参拝。東に見える比叡山から東山三十六峰の絶景に見惚れつつ小休止。参道を抜け山頂へ到着、国土地理院の三等三角点(北緯35度2分8秒756・東経135度44分40秒417・標高111・89m)の標識を見学、6月3日は測量の日であることを知りました。船岡山山頂で南に広がる京都市内を眺めながら昼食休憩、平安京造営時の基準点となり、かつての都の中心をなした朱雀大路(現千本通)の起点であったことに思いを馳せました。ちなみに、御所の中核:大極殿跡の遺跡は千本丸太町北西にあります。

 北へ下山し北大路を渡ると大徳寺に達します。路地を抜けて寺内へ。塔頭の一つ:高桐院(こうとういん:細川家菩提所で歌舞伎の創始者:出雲阿国の墓もあります)の通路で“青もみじ”を鑑賞しました。西に出ると今宮神社の正門前です。紫野高校のグラウンド前の大徳寺の塀(屋根瓦が埋まり、ところどころに般若の面や布袋さんのような像が埋め込まれている特異な塀)を鑑賞して、今宮さんを参拝。東参道で向かい合っている、双子のような“あぶり餅”の店構えは、時代劇のロケにも使われます。そこからさらに北を目指します。北山通りに出る直前に“牛若丸産湯の井戸”もありますが、今回は立ち寄らず。

 紫竹西通りの“玄琢下:御土居跡”を見学、さらに大宮交通公園の御土居跡も確認し北門から住宅地を北へ、大将軍神社を参拝してそこを抜けると“京都ゴルフ倶楽部舟山コース”に到達、そこから船山山上(317m)を目指します。山上に至るまで五山送り火の火床が点在、松明を掲げて暗闇を駆け巡る御苦労を感じつつ、登ります。いままでの労を労ってくれる京都市内の遠望を心行くまで堪能しました。普段は仰ぎ見る比叡山山頂(四明岳・山頂展望台838m:比叡山848・3m)が低く感じられます。賀茂川の対岸には京都ゴルフ倶楽部上賀茂コースが見え、南の方角には生駒山も遠望できました。記念集合写真撮影後、下山しました。西賀茂車庫前で解散、希望者は御薗橋西の中華料理店で乾いたノドを潤しました。

 西陣の一角を垣間見て、その風情に触れ、山の頂から下界を見下ろす快感を堪能した一日でした。

(歯科・北区 森 忠昭)

船山山頂にて
船山山頂にて

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