死亡事故、3カ月で23件/医療機能評価機構報告書  PDF

死亡事故、3カ月で23件/医療機能評価機構報告書

 全国の大学病院や国立病院機構の病院など273施設で、2008年7−9月に報告があった医療事故情報は376件で、うち死亡事故は23件(6.1%) だったことが12月9日、日本医療機能評価機構が公表した「医療事故情報収集等事業第15回報告書」で分かった。

 報告のあった376件を事故の概要別に見ると、「療養上の世話」が173件(46.0%) と最も多く、「治療・処置」83件(22.1%)、「医療用具等」30件(8.0%)、「検査」21件(5.6%)、「薬剤」16件(4.3%) などが続いた。うち「治療・処置」は7件が、「療養上の世話」は6件が、それぞれ死亡事故につながっている。

 また、死亡事故以外の事故の程度では「障害の可能性(高い)」40件(10.6%)、「同(低い)」118件(31.4%) など。発生要因(複数回答) は「観察を怠った」(100件、14.2%)、「判断を誤った」(89件、12.6%)、「確認を怠った」(84件、11.9%) の3つが突出して多かった。

 一方、報告書によると、08年4−6月に報告があったヒヤリ・ハット事例件数(有効件数) は5万8600件で、前回報告(同1−3月) に比べて9373件増加した。実施前に発見されたが患者の生命に影響し得る事例も1019件あった。

 ヒヤリ・ハットが発生した場面は「処方・与薬」が1万2594件(21.5%) で最も多く、「ドレーン・チューブ類の使用・管理」8149件(13.9%)、「療養上の世話」4633件(7.9%) など。発生要因(複数回答) では、「確認が不十分だった」(24.6%)、「観察が不十分だった」(12.3%)、「心理的状況(慌てていた・思い込みなど)」(10.3%) などが多かった。

 報告書は、08年7−9月に報告された事故事例のうち、特に重要な事故7例を「共有すべき医療事故情報」としてまとめた。病理検査の際に左右の乳房から採取した検体を取り違え、線維腺腫が見つかった乳房とは逆の乳房を部分切除した例や、眼科手術で眼内レンズの度数を誤って伝票に転記し、間違ったレンズを患者に挿入した例などがあった。(12/10MEDIFAXより)

ページの先頭へ