本の紹介『消費税は0%にできる』

本の紹介『消費税は0%にできる』

『消費税は0%にできる』楽しく読めて元気が出る


『消費税は0%にできる』
菊池英博著、ダイヤモンド社1,500円

 「小さな政府」路線から「中福祉、中負担」路線への転換、医師数の抑制策から増加策への転換、社会保障費抑制の数値目標の棚上げなど、小泉政権が行った異常ともいえる抑制政策の見直しが始まり、一見明るい兆しが見えてきた。

 同時に8月30日の衆議院選挙でも自民・公明が大敗し、民主党が衆議院でも大勢を占め、大きな変革の時期になった。そこには公的医療費の大幅拡大が不可欠であり、その財源については、保険料の引き上げならびに消費税を含む公費で補うしか、現実的な選択肢はないのか、各マスコミも含め消費税の引き上げの話題は絶えない。

 ここに一冊の本を紹介したい。『消費税は0%にできる』、著者は、元東京銀行員(現三菱東京UFJ銀行)で日本金融財政研究所所長、経済アナリストの菊池英博氏。一部を紹介すると、日本は世界一、財源に恵まれた国であり、財源はいくらでもある。第一に「国家備蓄金」がある。財政区分には「一般会計」と「特別会計」があり、政府保有の「金融資産」は「特別会計」に含まれており、特別会計には100兆円を超す「国家備蓄金」がある。次いで外貨準備(主にアメリカ国債に投資)の運用益があり、国民の積立金である社会保障基金(200兆円)も新規国債発行の担保になる。しかも、国民の個人預貯金は1500兆円を超しており、過去数年間で年平均毎年30兆円も増加してきた。こうした国民のおカネを日本国民のために活用すれば、増税なしで医療費も年金も賄えるし、経済を成長させ、失業をなくし、国家を再興できる。

 まさに、楽しく元気が出る内容だ。一読のほどお薦めする。

(税経部・北村裕展)

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