未熟児受け入れ7病院拒否、10日後に死亡/札幌市で、NICU満床など理由に  PDF

未熟児受け入れ7病院拒否、10日後に死亡/
札幌市で、NICU満床など理由に

 2007年11月、札幌市北区の30代の女性が自宅で早産した未熟児の男児が、市立札幌病院など市内の7つの病院に救急搬送の受け入れを拒否され、最終的に運び込まれた病院で10日後に死亡していたことが12月2日、分かった。母親はかかりつけの病院に運ばれ無事だった。

 市などによると、女性は07年11月15日夜、自宅で男児を出産。妊娠27週で体重は1300グラムだった。通報を受けた市消防局が男児を搬送する傍ら、専任医師を常時配置するなどの基準を満たす新生児集中治療室(NICU) を備えた病院を中心に受け入れ先を探したが、満床などの理由で7病院に受け入れを拒否された。

 男児は救急車内でいったん心肺停止状態になり、市立札幌病院救命救急センターの医師が途中から同乗して処置。通報から約1時間半後にNICUのない手稲区の病院に運ばれたが、10日後に死亡した。

 保健所によると、市内のNICUは6病院で計48床。うち、リスクの高いケースを受け持つ総合周産期母子医療センターに認定された市立札幌病院の07年度の病床利用率は100%で、市内の専門医からは「医師の数とともにNICUの絶対数が足りない」との指摘も出ている。【共同】(12/3MEDIFAXより)

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