春の環境ハイキング・参加記/花盛りの西山山麓を巡る

春の環境ハイキング・参加記/花盛りの西山山麓を巡る

 汗ばむほどの陽気の中、4月12日、第17回環境ハイキングを実施。今回は長岡天神を起点に花盛りの西山山麓を巡った。医科・歯科の協会会員ら25人が参加した。

大原野神社にて

 初夏を思わせる快晴の中、ハイキングが催行されました。総勢25人が朝9時に阪急「長岡天神」駅から出発、長岡天満宮で主催者挨拶。リーダーの武田先生、自然観察委員の中島さんを交えての一行は、西山キャンプ場を目指しました。交通量の多い幹線道路から一歩中に入ると、桜満開で、筍も足元から顔を覗かせて季節感溢れる、のどかな風景を満喫しました。

 西山キャンプ場で、自然観察委員の中島さんから、桜についてのお話をお聞きしました。桜のルーツはネパールで、「ヒマラヤザクラ」と呼ばれ、その果実には蜜が多く、日本の物の大きさの倍あるが、鳥はほとんど啄ばまないそうです。日本の桜には“枝垂れ”があるが、ネパールにはないそうです。日本で見られる桜については、エドヒガン(枝垂れ桜の変種あり)、オオシマザクラ(桜餅に用いる)、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、カンヒザクラ(彼岸桜)などがあります。日本の代表的な“ソメイヨシノ”は、実をつけないため、クローン(接ぎ木など)によって増やしたそうです。寿命50年と短命です。全国的に同じ性質であることから、桜前線として気象通報に利用されます。それに比べ、エドヒガンは長命で樹齢1200〜2000年のものもあります。日本三大桜(根尾の薄墨桜、山高神代桜、三春の滝桜)はいずれもエドヒガンの野生種です。

 後はひたすら北に向かい、小塩を経て石作八幡宮脇の小公園(通称:カゴノキ広場)で昼食、お宮の土台が古墳?とのことで、ぽっかり開いた穴を覗き石組を確認しました。その真偽は?です。食後、さらに北を目指し大原野神社で休息、境内の“春日乃茶屋”でビールやラムネ、ソフトクリームなどで乾いたノドを潤しました。次いで桂坂を目指します。のどかな田園風景の中、京都タワーが遠望でき、疲れた体を癒してくれます。しかし、沓掛の近くでは、柿畑が50m程の幅で伐採されており、京都自動車道の工事開始が近いことを思い知らされました。国道9号線を越え、登りついた「桂坂公園」でトイレ休憩、西山丘陵の竹林を抜け下りついたSL(C1)が露営展示してある「SL公園」で、主催者のお礼の挨拶で解散、その後、一行は最終目的地の阪急「上桂」駅まで足を延ばしました。私の“万歩計”は、およそ3万5000歩を示していました。

 住宅地や農道など一般の地図には記されないような道を選んでのハイキングでした。今日のコースは比較的整備されていましたが、軽車両が一台、斜面を滑り落ちた格好で遺棄されていました。以前の環境ハイキングで訪れた“大岩街道=通称ゴミ街道”は、地元の小学・中学生の訴えや、地元の人の努力の甲斐があって、“きれいさ”を取り戻したことが、京都新聞に紹介されていました。地元の竹を利用したフェンスなどでゴミの不法投棄を防いだそうです。人間のエゴによる環境破壊と、エコによる環境保護。濁点のあるなしで、意味が正反対になります。健康な暮らしを守る取り組みの大切さを実感します。「明日では間に合わない、今日のエコを!」TVコマーシャルの一節です。

(森 忠昭・森歯科医院)
 

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