日医とは連携していく/中医協委員に就任する安達氏  PDF

日医とは連携していく/中医協委員に就任する安達氏

 日本医師会の役員に代わって、中医協の診療側委員に新たに就任する安達秀樹・京都府医師会副会長は10月28日、中医協の議論では従来の日医役員3人のやり方を基本的には継承していく考えを示した。中医協に出される厚生労働省案の検討に際しては、日医執行部と連携する姿勢を明らかにした。2010年度診療報酬改定は、民間病院を含めて地域医療で基幹的な役割を果たしている病院のプラス改定が軸になるとの考えも示した。

 次期診療報酬改定のプラス分は「大半は病院に回るのではないか」との観測を示したが、開業医の委員が1人だけになったことについて「責務を果たす」との認識を示し、「開業医の経営が成立しないような論議をするつもりはない」と強調した。

 外来管理加算の「5分間ルール」の廃止については、再診料の病診格差是正とセットにした論議が必要とした上で「前回のように配分を付け替えるというやり方はしたくない。医療崩壊阻止の観点から病院にプラスにはなるが、病院と診療所が対立する改定にはしない」と述べた。

 全体的に、医療の方向性を見据えた論議を求めていく方針を強調し、DPCについても地域医療のネットワークが確保される視点での政策論議が必要とした。

 前回の08年度改定については、大学病院や一部の大規模基幹病院に偏っていたと指摘し、先進医療の在り方について「論議を起こしていく」と述べた。

「地域医師会の医師の代表」

 日医との関係については「京都府医と日医との関係や、病院と開業医の対立図式の中で自分が選ばれたとは考えていない。地方医師会の医師の代表であるということが大前提。専従として日医を代表して中医協委員を務めてきた委員と私は違う。私は日医の診療報酬検討委員会委員長だが、(厚労大臣が)日医の推薦委員を外したという事実は変わりがないし、(日医外しは)私も遺憾に思っている」と述べた。

 また、製薬業界が提案している薬価維持特例制度については、従来の日医執行部と大きく考えが変わることはないとのスタンスを表明した。安達氏は「薬価を引き下げて技術料に配分していくというこれまでの方式を見れば、薬価の引き下げがすでに十分行われたとは言えない。医薬品企業の利益率は相対的に高く、産業構造的な検討も含めた議論が必要ではないか」と述べた。ただ「業界案が全く理解できないわけではない」とし、引き続き検討・研究したいとの認識を示した。

 後発医薬品の使用促進については、厚労省の政策の進め方に批判的な考えを強調。「まず国が安全保証をした上で、使用促進を求めるべきだ。安全が保証されれば、われわれとしても医療経済的観点から使用を前向きに考えることができる」と述べ、後発品自体の安全性確保に関する確固とした政策の立案を厚労省に求めた。(10/29MEDIFAXより)

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