新規開業医のための基礎講習会開く  PDF

新規開業医のための基礎講習会開く

経営を軌道にのせるアドバイス

 協会は12月11日、新規開業医のための基礎講習会を開催した。協会から4人、3医療機関3人の参加があった。関理事長の挨拶の後、経営部会・北村裕展理事が保険医協会の利用の仕方について説明した。

 続いて、先輩開業医として、となみクリニック院長の砺波博一先生から、「今まで勤務医時代に培った医療をもとに、患者さん一人ひとりに対して、丁寧に接することが大切。たとえば、電子カルテへの入力中、画面に注視しがちになってしまうが、できる限り患者さんの顔を見るように心掛けている。そういった積み重ねが軌道に乗るための最大の近道である」とアドバイスした。

 河原義徳社会保険労務士からは、(1)雇用管理編として、従業員とトラブルにならないための、労働条件を明確にした雇用契約について、(2)経営対策編として、インターネットでより早く医院を見つけてもらうための仕掛けである、リスティング広告の効果とその方法を解説した。さらに保険部会・古家敬三理事から、審査の流れと保険請求の留意点、行政指導の概要について説明した。

 参加者からは、従業員の労働時間管理について、「タイムカードは必須か」との質問があり、社会保険労務士から「労働基準法で『事業主は労働者の労働時間を把握する義務がある』と規定されている。タイムカードは必須ではないが、自己申告は煩わしいことも多く、電磁的かつ客観的に記録できるという点で有用である」と回答した。さらに協会から、「労働時間や残業時間をめぐる労使間のトラブルは、金銭面だけにとどまらない。後に退職者が不正請求の疑いを情報提供し、個別指導につながるケースも出てきている」と助言した。

 また、保険請求については、「治癒」と「中止」の明記について質問があり、協会から、「慢性疾患に関してはそれほど問題ないと思うが、急性疾患に関しては「中止」や「治癒」をきちんと明記する必要がある。また疾患に対する「疑い」が長期間に及んでいるのは良くないので留意していただきたい」と回答した。

 参加者からは、その他多くの質問が出され、活発な会となった。講習会終了後は、同時期に開業した参加者らが、名刺交換など交流する場面も見られた。

新規開業医のための基礎講習会
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