政管健保、5年振りの赤字/被保険者数は4年連続で増加

政管健保、5年振りの赤字/被保険者数は4年連続で増加

 社会保険庁は8月8日、政管健保の2007年度単年度収支決算が1352億円の赤字となり、5年振りの赤字決算になったと発表した。医療分は被保険者数が4年連続で増加し、収入は増えたものの、被保険者1人当たりの保険給付費の増加などにより支出が増えた結果、赤字決算に転じた。

 収支全体は、収入7兆7164億円に対し支出は7兆8516億円で、対前年度比で2432億円の悪化。内訳を見ると医療分は1390億円の赤字で、介護分は38億円の黒字だった。

 医療分は1565億円の増収だった一方、被保険者1人当たりの保険給付費が2.6%、退職者給付拠出金が18.5%それぞれ増加するなど支出が膨らんだ。保険給付費の増加について、社保庁は「07年度は大幅な制度改正がなかったため、高齢化による医療費の自然増を反映した」と分析している。ただ、07年度当初予算では、医療分は2179億円の赤字を見込んでおり、結果として約1400億円の赤字幅にとどまった。

 赤字を補充する際に活用する事業運営安定資金残高は、07年度末で医療分3690億円、介護分203億円で、全体で3893億円となった。資金残高は、06年度までの黒字決算により5000億円近くになっていたが、今回の赤字決算で対前年度比1256億円の減少となった。

 08年度当初予算では、医療分で約1700億円の赤字を見込んでおり、社保庁は「09年度以降も赤字が増加する場合、安定資金が枯渇する可能性がある」としている。(8/11MEDIFAXより)

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