平均赤字額は1億4400万円/救命センター、支援要請へ

平均赤字額は1億4400万円/救命センター、支援要請へ

 全国で約200カ所ある救命救急センターの2007年度の医業活動収支が、平均で約1億4400万円の赤字となっていることが10月6日、厚生労働省と総務省消防庁の集計で分かった。

 救急搬送の受け入れ拒否問題の再発防止策を話し合う消防庁の作業部会で報告された。経営難による医師不足などが受け入れ拒否の背景にあるとして作業部会は、センターへの財政支援の強化を総務省と厚労省に求める考えだ。

 センターは症状が重い救急患者を24時間態勢で受け入れる必要があるため、一定数の空きベッドや当直医を常時確保しなければならず、一般の病院に比べてコストがかかるのが実情だ。

 報告によると、診療報酬による医業収入から人件費や薬剤費などを引いた収支の分布は、1億−2億円の赤字が56カ所と最も多く、10億円以上の赤字も3カ所あった。一方、黒字は36カ所にとどまっている。

 作業部会では「センターだけでは赤字体質かもしれないが、総合病院に併設した救命救急センターでは、ほかの診療部門との業務効率化により黒字経営も多い」とする委員の指摘もあった。【共同】(10/8MEDIFAXより)

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