奈良で反核医師・医学者のつどい 世界の非核平和へ思い新たに  PDF

奈良で反核医師・医学者のつどい 世界の非核平和へ思い新たに

 第21回核戦争に反対し核兵器廃絶を求める医師・医学者のつどいIN奈良が9月18日・19日、奈良女子大学をメイン会場に開催された。

 これは、保団連・民医連が中心となって組織する「核戦争に反対する医師の会」の全国大会として毎年開催されているもの。今年は、近畿各地の反核医師の会・保険医協会・民医連、IPPNW支部で実行委員会を組織し準備を進めてきた。

 初日は、記念企画として佐々木梅治氏の芝居・読み語り「父と暮らせば」(井上ひさし作)が上演され、広島で原爆を生き延びた主人公が抱える、死んだ親友や父親へのやり場のない申し訳ない気持ちを好演した。続いて奈良県開催を歓迎して、薬師寺の安田暎胤長老が挨拶。薬師寺も取り組んでいる軍事費削減のためのキャンペーン「アームズダウン」の紹介や、平和と宗教を考える際、宗教ではなく宗教者が問題となると指摘した。記念講演ではIPPNW副会長のティルマン・アルフレッド・ラフ氏を招いて、NPT再検討会議を受けた核兵器廃絶情勢の現時点と、核兵器廃絶のための国際キャンペーン(ICAN)の展望を聞いた。ラフ氏は、核兵器廃絶に向けた様々な具体的な取り組みを紹介しながら、今日の参加者一人ひとりが行動を始めることの重要性を協調して講演を締めくくった。

2日目のシンポジウム。左から2人目がラフ氏
2日目のシンポジウム。左から2人目がラフ氏

 二日目は、冒頭、奈良県在住の被爆者である秋山勝彦氏が発言。自身の発言の原動力は、原爆を使用したアメリカへの怒りであるとの言葉が印象的であった。続いてシンポジウムでは、関西学院大の冨田宏治氏がNPT再検討会議の到達点と課題について明快に整理。ピースボート代表の川崎哲氏は核兵器廃絶に向けた動きの中でNGOの役割が大きくなっていることについてこれまでの取り組みを交えて発言。IPPNW日本支部の片岡勝子事務総長は、核兵器廃絶に向かう具体的アプローチを示し、日本政府のスタンスが弱いことについても指摘し、核抑止力論を克服し核兵器に依存しない安全保障について提案した。

 京都からは、反核医師の会の三宅成恒世話人が、昨年の秋葉忠利広島市長講演会や、8月の交響曲第1番”HIROSHIMA”演奏会を行ってきた京都の取り組みを紹介。地元から市民と共に反核運動を創り上げていくことの重要性を訴えた。

 最後に参加者全員でアピールを採択し終了した。参加者総数は388人。来年は埼玉県で開催の予定。

報告する三宅世話人
報告する三宅世話人

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