増加する「飛び込み出産」早急な対策を/大阪府医・周産期医療研修会

増加する「飛び込み出産」早急な対策を
/大阪府医・周産期医療研修会

 大阪府医師会などの主催による周産期医療研修会が7月19日、府医師会館で開かれ、大阪府の産婦人科診療相互援助システム(OGCS) に参加している産科施設などから、未受診妊婦による「飛び込み出産」が増加傾向にあることが報告された。未受診妊婦はハイリスクの上に医療費の未払い率が高いなど、分娩受け入れ施設側の負担が重いことから、育児支援を含め、行政などによる早急な対策を求める意見が相次いだ。

 報告によると、愛仁会高槻病院やりんくう総合医療センター市立泉佐野病院、大阪市立総合医療センターなどでは、未受診妊婦の飛び込み出産が近年、増加している。2007年に11件だった愛仁会高槻病院は08年すでに8件。以前から府内で飛び込み出産の受け入れが多い愛染橋病院では1997−06年の10年間に185例を受け入れている。

 いずれの施設も未受診の理由の大半は経済的なもので、医療費の未払いは30%前後に達している。さらに精神障害などの合併症を伴う妊婦が多いことや、家族らによる暴力・迷惑行為が増えていることを問題視する意見も目立った。

 未受診妊婦は受け入れ後の対応にも難渋するケースが多いことから、今後の対策として、産科救急システムの再構築や行政・福祉面でのバックアップなど、早急な対策を求める声が多かった。(7/23MEDIFAXより)

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