在宅復帰希望が増加の傾向/2008年受療行動調査  PDF

在宅復帰希望が増加の傾向/2008年受療行動調査

 厚生労働省が9月7日に発表した「2008年受療行動調査」の概況で、在宅での通院治療を希望する入院患者が増加傾向にあることが分かった。退院許可が出た場合「自宅で療養できる」と回答した入院患者の割合も増加し、「完治するまで入院を続けたい」と応えた患者は半数を下回った。

 一般病院500施設の入院・外来患者20万人余りを対象に実施した。対象日は08年10月21〜23日のうち施設ごとに指定された1日。入院患者の有効回答は5万3000件余り、外来患者は10万件余りだった。

 入院患者のうち「自宅から病院や診療所に通院しながら、治療・療養したい」との回答は23.8%で、前回調査時(05年)より7.3ポイント上昇した一方、「完治するまでこの病院に入院していたい」と回答したのは45.9%で前回より8.9ポイント下がった。

 退院許可が出た場合「自宅療養できる」と答えたのは50.0%(前回比8.4ポイント増)、「自宅療養できない」と答えたのは33.0%(同4.5ポイント減)だった。療養病床のある病院では「できない」が43.9%で「できる」の39.0%を上回ったが、それ以外の病院では病床規模などにかかわらず「できる」の割合が「できない」を上回った。

 「できない」と答えた患者が自宅療養を可能にする条件(複数回答)は「家族の協力」が最も多く48.0%、「入浴や食事などの介護サービス」36.2%、「療養のための改築など」31.5%が続いた。

●外来の不満「待ち時間」と「費用」

 病院に対し「満足」と答えたのは外来患者の58.0%(前回比4.2ポイント増)、入院患者の65.9%(同4.8ポイント増)。「不満」と答えたのは外来の5.4%(同0.7ポイント減)、入院の4.7%(同0.3ポイント減)だった。個別のサービスなどの満足度で「不満」の割合が高かったのは、外来では「待ち時間」30.6%、「診療・治療に要した費用」24.0%など。入院では「食事の内容」14.7%、「病室・浴室・トイレ」12.1%などだった。

 外来患者の待ち時間は「30分未満」が44.2%(同2.0ポイント減)、「30分以上1時間未満」が24.5%(同2.6ポイント増)など。外来の診察時間は「3分未満」が13.6%(同2.8ポイント減)、「3分以上10分未満」が53.4%(同2.8ポイント増)などとなっている。外来患者の35.0%は別の病院に重複してかかっていると答えたが、大半は「違う病気でほかの病院にかかっている」と回答していた。(9/8MEDIFAXより)

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