国民医療費36兆円、過去最高額/09年度集計・厚労省  PDF

国民医療費36兆円、過去最高額/09年度集計・厚労省

 厚生労働省は9月29日、2009年度「国民医療費の概況」を公表した。国民医療費は36兆67億円(前年度比3.4%増、1兆1983億円増)で過去最高額を更新。人口1人当たりの国民医療費は28万2400円(3.6%増、9800円増)となった。国内総生産(GDP)に対する国民医療費の比率7.60%(0.53ポイント上昇)と、国民所得に対する比率10.61%(0.72ポイント上昇)も過去最高の高さだった。

 厚労省は医療費自然増の要因について、高齢化によるものが1.4%増、人口減の影響が0.1%減、医療の高度化・その他の影響が2.2%増とみている。

 制度区分別に見ると、医療保険等給付分は17兆3368億円(2.3%増、構成比率48.1%)、後期高齢者医療給付分は11兆307億円(5.8%増、30.6%)、公費負担医療給付分は2兆4601億円(5.5%増、6.8%)、患者負担分は4兆9928億円(1.6%増、13.9%)となっている。軽減特例措置は2.8%増加した。

 財源別に見ると、公費分は13兆4933億円(構成比率37.5%)だった。そのうち国庫分は9兆1271億円(25.3%)、地方分は4兆3662億円(12.1%)となっている。保険料分は17兆5032億円(48.6%)で、そのうち事業主分は7兆3211億円(20.3%)、被保険者分は10兆1821億円(28.3%)だった。その他は5兆102億円で、そのうち患者負担分は4兆9928億円(13.9%)。

 診療種類別に見ると、一般診療医療費は26兆7425億円(3.0%増、構成比率74.3%)となった。そのうち入院医療費は13兆2602億円(3.4%増、36.8%)、入院外医療費は13兆4823億円(2.6%増、37.4%)だった。歯科診療医療費は2兆5587億円(0.7%減、7.1%)、薬局調剤医療費は5兆8228億円(7.9%増、16.2%)、入院時食事・生活医療費は8161億円(0.1%増、2.3%)となっている。

 患者の年齢層を階級別に見ると、0−14歳は2兆2595億円(構成比率6.3%)、15−44歳は4兆8951億円(13.6%)、45−64歳は8兆9042億円(24.7%)、65歳以上は19兆9479億円(55.4%)。人口1人当たりの国民医療費を年齢階級別に見ると、0−14歳は13万2800円、15−44歳は10万3300円、45−64歳は26万1000円、65歳以上は68万7700円となった。

 一般診療医療費を主傷病で分類すると、「循環器系疾患」が最も多く5兆5394億円(構成比率20.7%)、次いで「新生物」が3兆3993億円(12.7%)、「呼吸器系疾患」2兆884億円(7.8%)、「筋骨格系および結合組織疾患」1兆9987億円(7.5%)、「腎尿路生殖器系疾患」1兆+9870億円(7.4%)となった。65歳未満では「新生物」が1兆4164億円(12.3%)で最も多く、65歳以上では「循環器系疾患」4兆1796億円(27.4%)が多かった。性別で見ると、男性は「循環器系」「新生物」「腎尿路生殖器系」の順に多く、女性では「循環器系」「新生物」「筋骨格系および結合組織」の順だった。(9/30MEDIFAXより)

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