和知診療所、体制縮小へ/4月から時間外救急を中止  PDF

和知診療所、体制縮小へ/4月から時間外救急を中止

 京都府京丹波町は、国保和知診療所(同町本庄)の診療体制を4月から縮小する方針を固め、6日開会の3月定例町議会に関連議案を提案した。医師の転出で常勤医が2人から1人に減ることに伴う措置で、医師の当直を廃止し、時間外の救急受け入れなどを中止する計画。

 同診療所は現在、常勤医2人と非常勤医5人で診療を担当。内科を週5日、外科と整形外科を週1日ずつ開き、一般病床7床、療養病床12床を設置している。夜間や休日も当直医を置き、年中24時間欠かさず医師が常駐してきた。

 常勤医のうち7年間勤務した1人が3月末で転出することになり、同町は後任探しに動いたが、常勤医の確保は難しかったという。

 計画では、4月から常勤医1人と非常勤医5人の体制に移行。外来は従来通り維持するが、当直医がいないため時間外の救急受け入れを中止し、入院用の一般病床も休止する。現在入院中の患者数人には転院をあっせんするほか、国保瑞穂病院(同町和田)に8床ある療養病床を4月から一般病床に転換してベッド数を確保。緊急時には常勤医が電話で指示を行う「オンコール体制」で24時間対応する。

 旧和知町域には歯科診療所を除いて医療機関がなく、当直中止で夜間などに医師不在が生じるが、松原茂樹町長は「医師確保が難しい中で、やむを得ない選択。これまでも重症の救急患者は瑞穂病院などへ搬送しており、支障はないはず」と話している。

 同診療所は経営悪化で年間約8000万円の赤字が続いており、運営体制見直しが緊急の課題。経営改善へ同町は、既存の療養病床を慢性期の患者を対象とする介護療養型老人保健施設へ転換する計画を進めていた。

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